前文に続いて、ECONOMICS 経済 。
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牛では、骨折を治療する決定は、
損傷の重篤度(例えば、開放骨折か閉鎖骨折か、神経脈管の損傷、など)、
治療の経費、治療の期待できる成功率、
その患畜のわかっている、あるいは潜在的な、経済的そして遺伝的価値、
骨折の部位とタイプ(例えば、関節か非関節か、キャストか骨プレートか外固定か)、
を評価することで行われる。
感染があること、神経のダメージ、脈管損傷は予後悪化の衝撃となり、治療費を明らかに増加させる。
閉鎖骨折はほとんどの症例で治癒することが期待できるが、開放骨折は壊死骨片、癒合遅延、あるいは癒合不全といった併発症に苦しむことになりやすい。
患畜の気性や行動は予後を良化も悪化もさせる可能性がある。
積極的行動の牛は起立、歩行、そして自身をまかなう能力を維持しやすい。
しかし、そのような牛は治療するのがより難しかったり、危険であったりし、それゆえに世話の質が低下するかもしれない。
上腕骨、大腿骨のような肢近位部の損傷は、より大きな軟部組織の支持と側副血液供給がある。しかし、遠位部の骨折より固定するのが難しい。
外固定器材は後肢損傷より前肢損傷の方が適用し易い。
より若い患畜の骨折治療はより治りやすい、それは若い牛が治癒速度が明らかに速く、成牛より外固定の安定性が良いからである。
高価ではあるが、小動物やヒトでの使用のためにデザインされた整形外科インプラントは若い子牛での使用には適切な機械的強度があり、牛のさまざまな骨折の治療に成功裡に用いられてきている。
予後を悪化させる多くの要因を熟慮したのちに、獣医師は依頼主に選択肢を示すことができる。
獣医師の責任は、その症例の最終的な結果に関わる治療経費について、畜主が情報を与えられた上での選択をできることを保証することである。
(長くなるのでつづく)
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牛の骨折治療の決断に関して、直接、経済とか農場経営上のあれこれを検討はしていない。
かえって、骨折部位とか、治療方法とか、が検討されている。
もちろんそれにより予後も治療経費も変ってくるのだが、治療費について具体的に検討していない。
言いたいのは、この部分での最後の文章なのかもしれない。
”獣医師の責任は、その症例の最終的な結果に関わる治療経費について、
畜主が情報を与えられた上での選択をできることを保証することである。”
ー
農家は、ダメになろうとしている子牛の価値だけを考えがちだ。
そこへ、治療の可能性、かかる手間と経費、そして併発症の可能性、を示せるのは獣医師だけだ。
保険額、家畜共済でまかなえない給付外負担、を示せるのはNOSAI獣医師だけだ;笑
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暑かった。
と言っても30℃近かった、という程度で道外の方にはもうしわけないくらいなのだが、
近づいている台風の影響か湿度がひどい。
林の中の川で・・・・
出たらもちろんゴロスリ。
ブルブルっ!