前日、重種子馬がひどい跛行をしているとの依頼の電話。
遠い他の地域からだった。
翌朝、来院したが、子馬は家畜運搬車の中で倒れていた。
右前肢がブラブラになってきたので、途中の診療所に寄ってキャストを巻いてもらったのだそうだ。
そのまま家畜運搬車の中でX線撮影した。
コードレス撮影装置とコードレスDRだと可能だ。
橈骨近位骨幹の骨折で、骨幹端も割れてしまっている。
粉砕骨折だ。
サラブレッドより骨折が治りやすい重輓馬の子馬なのでプレート固定すればなんとかなるか・・と考えたが。
雌で繁殖供用でもよい、とのこと・・・考えたが・・・
実際には、X線画像で見えるより粉砕はひどい。
あきらめることにした。
剖検したが、整復することも難しく、粉砕はひどくてプレート固定の対象にもなりそうになかった。
骨折部はこすれて磨かれ、丸くなってしまっていた。
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もうひとつ。
橈骨の骨折でフルリムキャストを巻くのは応急処置として間違えている。
重くなり、曲がられなくなった肢を使えなくて骨折部に無理な力がかかってしまう。
応急処置するなら、き甲の高さまで伸ばした副木を付けて、肢が外へ開かないようにしなければならない。
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春になると餌台に来る鳥たちも替わる。
食べ物をよそで探せるようになるのだろう。来なくなる野鳥も多い。
スズメは相変わらずのようだけど。