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Channel: 馬医者残日録
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子牛の脛骨斜骨折のLCP固定、発症2日目なんだけど・・・

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2ヶ月弱の黒毛子牛が脛骨亀裂骨折し、経過を観ていたら完全骨折になってしまった、との連絡。

メールで画像を送ってもらい、明日手術しましょう、と言ったのだが、明日はどうしても都合が悪いとのことでその翌日に手術することになった。

完全骨折になってからキャストを巻いたけど、整復も固定もできていない、とのこと。

2ヶ月齢になると大腿部もかなり発達しているので、膝より近位までキャスト固定するのは難しい。

脛骨の近位骨折だと、とくに固定するのは厳しい。

斜骨折でオーヴァーライド(騎乗変位)していると、キャスト固定で良好な治癒を期待するのは無理だ。

                                -

始業時間早々に来てもらって、プロポフォールで麻酔する。

気管挿管もする。

「人とおんなじ。私も麻酔されたもの。」と奥さん。

整復して、骨鉗子で仮止めして、ラグスクリューで仮固定して、プレートを当てて、プレートスクリューを入れれて・・・・

と思っていたが、reduction整復がとても難しい。

思い切り牽引しても騎乗変位を戻せないし、骨折部で外反し、屈曲方向にずれる。

屈筋と下腿外側の筋肉の収縮が強いからだ。

それでもなんとか骨癒合が期待できるくらいまで整復し、ラグスクリューで仮止めし、

人用チタン製LCPを当てて、LHSで固定した。

整復が不完全なので強度も完全ではないが、おとなしくしていれば大丈夫だろう。

                           -

指や手が疲れてしまった。

午後に、もっとたいへんな手術が待っているというのに・・・・・・笑

 


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