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Channel: 馬医者残日録
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尺骨粉砕骨折のdouble LCP固定 2

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Dr.Richardsonのアドヴァイスどおりできるだけ破片をsmall screwで留める。

しかし、留めれたのは1,2の2本の4.0mmキャンセラススクリューくらい。

尺骨頭を整復しないと、合わせるものも合わせられない。

11穴ナローLCPを尺骨の尾側に合うように曲げておいて、まず尺骨頭部に留める。3;皮質骨スクリューでLCPを骨に押し付ける。

4;LHSで頑丈に。

成馬の尺骨は仔馬とちがいかなり反っている。LCPもかなり反らせたので、遠位側が浮く。

それを5の橈骨尾側の皮質も貫いた皮質骨スクリューで尺骨遠位に押し付ける。

1本では無理がありそうだったので、6のスクリューも入れて交互に締め付ける。

できれば5.5mmを使えということだったが・・・・忘れた。

5.5mmは太いのでプレートスクリューとしては使いにくいのだ。

みごとにLCPを尺骨遠位に押し付けることができた。

尺骨頭部に7のLHSを入れるが、4のスクリューに当たったので長いLHSは使えなかった。

8,9,10と、遠位・近位交互にLHSを入れた。

                              -

粉砕している中位部の、内外に分かれている骨片をスクリューで寄せておく(12)。

肘関節近くに大きな欠損部がある。肘関節に指を入れるとかなり大きな骨片に触れる。

それを取り出したら、どうやら尺骨頭突起だ。ぴたりと合うように嵌めて、4.5mm皮質骨スクリューで留める(13)。

もう1本、粉砕部から取り出してあった骨片を4.0mm海綿骨スクリューで留める(14)。

                              -

ナロー1枚では、強大な成馬の上腕三頭筋の牽引に耐えられないだろうから、外側にもう1枚プレートを当てる。

Dr.Richardsonは6-7穴で良い、とコメントしてくれたが、粉砕した尺骨中位をまたいで尺骨頭を遠位へ固定するには10穴LCPが必要だった。

近位と遠位、交互にスクリューを入れて固定した(15-19)。

                              -

手術中は何度かマイシリン入り生理食塩液で術創内を洗った。

内固定し終えて、プレートの回りにマイシリン原液をかけてもらう。

アンピシリン・カナマイシンを全身投与している。

死腔をできるだけなくすように縫合した。

皮膚にはガーゼを縫いつけた。

手術時間は4時間だった。

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今日は、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。左右両方。

DDSPの2歳馬の喉内視。来週Tieforward手術することになった。

午後は、私は今週は検査当番。

当歳馬の肢軸異常、両前球節。

タマタマの皮膚を切ってしまった2歳馬の外傷縫合。

かわった腕節剥離骨折の相談。

                              -

世界一のつり橋も見てきた。

はるか下の海面を見下ろすと怖い。

その橋を吊り下げているケーブルの標本。

すごいね~

 

 

 

 


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