朝、疝痛で来た2歳馬はそのまま落ち着くかも、と当番者の報告だったが、関節鏡手術している間に、また痛くなった。
直腸検査すると骨盤腔に入り込んできている大結腸が厚くなっているのを感じた。
PCVも41%から45%に上昇している。
乳酸値は1.1mmol/lから0.8mmol/l未満に下がったが、直腸検査所見だけで開腹手術の判断はつく。
午後からは延期したくない手術の予定も入っている。
開腹したら結腸左背側変位だった。
大結腸は完全に脾臓と左腎臓の間に入り込んでいた。
脾臓からは容易にはずせたが、胃の背中側へも回り込んでいた。
結腸動脈周囲には黄色い水腫があり、骨盤曲あたりもわずかに肥厚していた。
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結腸左背側変位は同じ牧場で散発することがある。
それで結腸左背側変位を減らすための飼料管理の工夫を牧場に渡しておいた。
一緒に入院していた別の牧場にも渡した。
結腸左背側変位だけでなく、疝痛全体の予防につながることだろうから。
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別の日、乳牛の第四胃右方変位の手術。
飼い主さんと乳牛の病気と飼養管理の話をする。
多くの酪農家は乳牛の栄養学や飼養管理学の知識が豊富だ。
乳量や病気にすぐに反映され、経営に直結しているからだ。
馬は粗飼料の質が悪いとその分、量を食べることで補おうとする。
牛は一定量以上は食べられない。
だから高泌乳牛は、良質の粗飼料を与えられないとカロリー不足におちいり病気になる。
濃厚飼料を多給すると、それもまた病気の要因になる。
久しぶりに牛屋さんと話をして、忘れかけていた乳牛の栄養学をちょっと思い出して楽しかった。
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Of course horses need hay, but not just any hay.
もちろん馬は乾草を必要とする、しかしどんな乾草でも良いわけではない。
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若い頃なら1-2週間走れば、スピードを上げたり距離を延ばせた。
今はさっぱり;涙。
体重も落とさなきゃダメだな。
自分だってこうなんだから、牛も馬もヒトも、わかっちゃいても飼養管理の実践がむずかしいことはよく知ってますとも;笑。