10日前に、たぶん後膝を蹴られた当歳馬。
初診時に撮ったX線画像では骨に異常はなかったが、痛みがぶり返したので再度X線撮影したら、膝蓋骨が内外に割れていた、とのこと。
皮膚には傷がある。
膝蓋骨の骨折を疑ったら、必ず近位-遠位撮影もした方が良い。
いわゆる”膝のお皿”が割れている。
かなり骨折線は開いている。
圧迫固定できるかどうかわからないが、少なくともこれ以上開かないように固定した方が良いだろう。
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以前手術した症例では内外にも割れて、近位遠位でも割れていた。
だから十字にスクリューを入れて固定した。
たしか、透視装置がうまく働いたと思ったのだが・・・・・・
今回やってみたら、透視装置ではうまく後膝を近位遠位で挟めなかった。前回は、内外で挟んで描出したのだったか・・・・
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仕方がないので、DRでX線撮影してもらうが、それでもエアマットなどが邪魔になってうまく骨折線を描出しにくかった。
中足骨部を軸側にひっぱってもらって、ようやく良い方向で撮影できるようになった。
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後膝はかなり腫れていた。そのせいもあり、膝蓋骨の位置と形状が把握しづらい。
関節に留置針を刺したら関節液が噴出した。できるだけ抜いたら、腫れがとれて手術しやすくなった。
骨鉗子を内外にかけて骨折線を圧迫する。
良さそうな位置にaiming device をかけて狙いを定める。
当歳馬の膝蓋骨はとてもやわらかい。
スクリューヘッドがめり込んで圧迫スクリューlag screwが効かなくなる可能性があるので、ワッシャーを使った。
最初のx線画像より骨折線は圧迫されている。
内外方向からでもスクリューの位置は良さそうだ。
スクリューをもう一本入れるのは厳しいと判断した。
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patella
膝蓋骨。
いわゆる、膝のお皿だ。
「最大の種子骨」と表現している馬の本もある。
ぱてっら だよ。
ぱてら じゃないんだよね。
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きょうは、2歳競走馬の腕節骨折の関節鏡手術。
麻薬管理者免許の更新のための健康診断に行って、中毒患者ではない診断書をもらった;笑
4歳のあがり馬が下腿部に刺し傷を負って、治りが悪い症例を診察。
先に、予定の4歳競走馬の腕節骨折の関節鏡手術をやって、
そのあと、下腿部を切開。
入院厩舎に、盲腸重積の当歳馬が入院している。
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雪が積もるほど降ったところもあったそうだ。
凍ってない地面は今のうち。