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Channel: 馬医者残日録
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AED救急蘇生講習会・馬の循環器病の診断・治療

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地元獣医師会の講習会。

午前中は消防組合の消防士さんを講師に迎えて、AEDの使い方と救急蘇生の実習をやってもらった。

 

よく誤解されているのだが、AEDは止まった心臓を再び動かせる機械ではない

「今、仔馬が死んだんだけどよ、あれよ、あのガシャンってやつやって生き返らせてくれよ」、と電話がかかってきたことがある。

AEDは除細動器であって、適応になるのは心室細動と無脈性心室頻脈だけ。

そのヘンの誤解は、数多い医療ドラマの責任もあると思う。

AEDは適応かどうかの判断も自動でやってくれて、音声で知らせてくれる。

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心室細動は、胸に衝撃が当たっただけでも起こることがある(心臓震盪)。

そのとき、周囲の人が胸骨圧迫を迅速に始めて、AEDを使えるかどうかに命がかかっている。

馬に蹴られて心室細動を起こすこともあるはず。

そのとき獣医さんがそばに居たので助かった、さすが、となれば喜ばしい。

反面、いつも聴診器持ち歩いているのに、おろおろするばかりだった、となっては残念だ。そして、取り返しが付かない。

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が、往診先にはそうそうAEDは近くにない。

救急車を急いで呼んで、到着までは胸骨圧迫を続けることになる。

これは・・・・やったことがないとうまくできない。たいへんさもわからない。

田舎では救急車が来るまで10分どころではないだろう。

体験した人ならわかる。

やったことがなければ有効に胸骨圧迫するのは難しいし、

胸骨圧迫を一人で10分も続けるのは無理。やってる方が倒れてしまう;笑

交代しながらやるしかないだろうね。

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心臓がいかに大事なポンプか体験していただいたところで昼食。

そのあとは・・・・(つづく)

 

 


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