札幌開催で前肢球節を骨折した競走馬を手術して欲しい、との依頼、が日曜日。
管(中手骨あるいは中足骨をこう呼ぶことがある。がもうやめた方がいいね。)の真ん中へんから折れている、とのこと。
割れちゃってるんですか?
ひどくて、馬も痛がってる。
X線画像が手に入らないので、どういうタイプの骨折で、どの程度がわからない。
たぶん、中手骨外側関節面からの骨折で、骨折線は外側へ開いてしまったのだろう、と推測する。
馬は火曜日に札幌から帰ってくることになった。
札幌からなら、そのまま手術しても大丈夫だろう。
(長距離輸送だと、1日か2日は休ませてから全身麻酔・手術した方が良い)
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馬と一緒に届いたX線では・・・・・内側関節面からの骨折だ・・・・・・
安全策をとるならプレートを入れなければいけない骨折だが・・・・
プレート固定すると術後に競走する率は40%ほど、だとされている。
中手骨/中足骨の全長にわたって外科侵襲があり、伸腱の癒着などが起こるからだろう。
雌で、繁殖供用も考えていて、命だけは確実に助けたい、のならプレート固定だが、この馬は雄だ。
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screw固定することにした。
骨幹中央で皮質が分厚くなる部分まで割れている。この程度なのが多い。
種子骨と重なって構わないから「打ち上げ」て掌側関節面に楔状の骨片がないか調べる。
あるかもしれない。
しかし、浮いてはなさそうだ。
浮いていたら関節鏡を入れて摘出することも考える。
外側関節面の不完全骨折で、楔状の骨片があったら内固定して圧迫しないのも方法だ。
しかし、この馬のように危ないタイプの骨折だと内固定しないわけにはいかない。
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screw5本で内固定した。
実際の手技は北米馬外科専門医のYoshi先生にやってもらった。
近位へいくほど徐々に掌側から背側へ向けてscrewを入れた。
骨折線は圧迫された。
一番遠位のscrewを除いてはscrew先を1巻き半は対側皮質から出すことにこだわった。
術後はキャストした。
蹄葉炎が心配なのでしばらく濃厚飼料はなし。
近位の3本のscrewは骨癒合を確認したら抜いた方が良いだろう。3~4ヶ月後か。
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ツバメは飛び立って姿も見なくなった。
もう南へ向かったのだろうか。
ツバメ・・・玄鳥とも呼ばれる。

作者の遺作になってしまったらしい。
衆道(日本古来の武士にあったゲイ)の想いをはらんだ友情の物語になっている。
剣術道場の歳の離れた先輩・後輩で、先輩は剣の達人ながら、軽格の士分で不幸につきまとわれる。
後輩は上士で、先輩に救われたこともあり、家老職へと出世する。
その二人が剣を交えなければならなくなっていくのだが・・・・
私には理解しがたい設定だったが、主人公のひとり、剣の達人がHig 六郎兵衛だったので楽しく読めた;笑
タイトルは、家に幸福を呼ぶともされるツバメが去ったあとの気分をさしているのだろう。