もちろん「慢性骨折」などという用語はない。
しかし、いつまでも骨癒合しない骨折がある。
2ヶ月前から後肢の不調の3歳馬。
跛行診断してくれ、ということで来院した。
速歩させてもはっきりとした跛行はわからない。
しかし、内踏みする。
両後肢のX線撮影をしたら・・・・・
右後肢の球節、第三中足骨の外顆に骨折が見つかった。
おそらく、この春に経験した症例と同じで、最初はX線撮影でも診断できず、慢性化し、いつまでも骨癒合しないのだ。
それで、スクリュー固定することにした。
こういうタイプの外顆骨折は掌側あるいは底側から起こっていることがCTによる診断でわかってきている。
それで、
スクリューより遠位には骨折線が残るが、それより近位は圧迫されて骨折線が消えた。
覚醒起立時もキャストはしなかった。
両後肢の蹄がマイナスPA(後下がりの蹄骨)になっているのも気づいていたので、蹄尖部の削蹄もしておいた。
後肢に力が入らないのは、それもあったのかもしれない。
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きのうは、
当歳馬の距骨OCDの関節鏡手術。
午後、EEの内視鏡下手術。立位で。
そのあと、中足骨外顆骨折のスクリュー固定
馬を手術台で仰臥にすると、透視装置を使うには位置が高くなりすぎる。
手術室の床に直接エアマットを置けば良い。
そんなことに気づくのに数年かかった;笑
これはきのうの夕焼け。