文庫本になって本屋に並んでいたので・・・

颶風とは強く激しい風のことだそうだ。
雪崩に馬と埋められて、互いの血をすすり毛をかじり、肉をくらって生き延びた母。
気のふれた母を置いて、北海道に渡った息子。
祖父に馬の扱いを教えられたその孫娘。
孫娘は、孤島に置き去りになった馬を気にする老女となり、その孫娘は・・・
なんと”十勝”畜産大学の学生になっている。
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東北から北海道へ続く、人と馬との生活の歴史。
かつてはいくつもあちこちにあったのだろうと思う。
馬という人ともっとも密接に生きてきた動物への思いと歴史を感じさせてくれる小説。
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最後のパートは、ユルリ島の馬がモデルになっているのだろう。
オヨバヌトコロ に居る馬達も、維持されるようだ。
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ひどく風が強い。
これから年末年始にかけて冷え込んで荒れるらしい。
ふるさとへ家族連れで帰るひとも多いだろう。
ひどいことになりませんように。祈ってる。
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四肢の蹄の蹄冠近くはへこんで段差がついていた。
折れた肢だけではなく、対側肢も、後肢もなので、運動しなくなったこと、痛みのストレスによるものなのだろう。
しかし、凹むのではなく膨らんでる。
上瞼が動かなくなると、こうして乾燥性角膜炎が起こるのだ。
THO(舌骨側頭骨関節症)の馬を診たときには注意しなければならない。
(麻酔中は、ひどくならないように点眼している)
身動きできない深さで吸入麻酔されている。
痛くて、あるいはおびえて泣いているわけではない。
下瞼は涙を溜める作用をしている。
涙を鼻涙管へ汲み出す作用についても馬眼科学の成書に記載がある。
麻酔と横臥させていることで、涙を鼻涙管へ流す機能が働かず涙があふれているのだ。
前回内固定手術の後は覚醒起立に苦労したこともあって、今度は前躯に吊起帯を着けた。
この吊起帯の着け方は、私が以前からさんざん考えた方法。
先日来日されたMadigan先生たちがLoopになったロープを使う方法を紹介してくれたことが背中を押してくれた。