10:46 子馬の開腹手術で起こされる。
(私は夜早く寝る。
映画やプロ野球ニュース観る生活は私達には向かない。
夜11時12時に呼ばれるのは最悪だ。
それから手術していたらすぐ夜明けで、”完徹”になりかねない。)
9週齢の子馬が疝痛で運ばれてきて、超音波で小腸の膨満が確認されたが、ロタウィルス陽性。
で、輸液して痛みの様子を観ようとしたが、ひどく痛い、とのこと。
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開腹したら空腸重積に触れた。
4-50cm入り込んでいる。
2重じゃないよ、重積部ってのは3重になっているんだ、わかる?
押し出すように引き抜こうとしたが、最後に裂けてしまった。
重積を解かないまま切除する方法もあるが、そうなると引き込まれている腸間膜が短く切断されて腸間膜を縫合閉鎖しにくくなる。
破裂しても腹腔内まで汚染しないようにはしていた。
まだ大きくない回虫がいっぱい。
生きてウネウネ動いていた。
回虫が詰まった小腸を小腸が飲み込んで重積を起こすことがあるが、
今回の子馬はロタ腸炎で蠕動亢進し、回虫が居る小腸が重積を起こしたのだろう。
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健康な部分で空腸同士を端端吻合し、上位の膨満した空腸の内容を盲腸へ送り、
腹腔内に癒着防止のためのSodium Carboxy Methyl Cellulose を入れて閉腹した。
この子馬のためにフルモキサールを渡しておいた。
線虫は隙間に入り込む性質があるので、腸管吻合部から這い出てくるのだ。
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もうイベルメクチン(エクイバランほか)は馬回虫には効かない(と思った方が良い)。
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馬の寄生虫対策ハンドブックには、60日齢までの子馬の回虫を駆虫するのは勧めないとされている。
しかし、それでは回虫症のリスクが高くなる。
おそらく、日本のサラブレッド生産地は、気候的にも、馬の密度からも、寄生虫のリスクが非常に高いのだ。
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林の中へカタクリやエゾエンゴサクを観に行った。
ギョウジャニンニクも生えていたので刈ってきた。