2歳馬が発熱し、風邪かと思っていたら、顔が曲がってきた。
抗生剤で治療して解熱したけど・・・・ という症例。
顔面麻痺、左眼瞼の麻痺、左耳の下垂、平衡感覚障害、と症状からは側頭骨舌骨関節症THOだ。
しかし、喉嚢内視鏡検査では右の茎状舌骨は太いものの、左は異常はなかった。
X線撮影では左側頭骨部はモヤモヤしているようにも見えるが判然としない。
こういう症例でCTを撮ってもらいに大学へ行ってもらったこともあるが、CTを撮っても確定診断になるかどうかはわからない。
治療法としては角舌骨摘出手術しかない、と言っていい。
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左角舌骨を摘出した。
ぜんぜん傷んでいなかった。
おそらくこの馬の脳神経麻痺は、側頭骨部の感染が主体なのだろう。
その感染は抗生剤治療で抑えられつつある。
あとは、角舌骨摘出で側頭骨が動かなければ、これ以降のダメージも予防できるはず。
側頭部の感染は、側頭骨舌骨関節炎なのかもしれない。
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午後、おとついから元気食欲不振で、きのうは立てなくなり、死んでしまった4ヶ月齢黒毛の剖検。
ひどい第四胃潰瘍だった。
粘膜が広範になくなり筋層が露出している。
肺はほとんど無気肺。(オレンジピンクの部分だけが含気している)
僧帽弁に水腫があった。
心臓と肺の所見は敗血症だろう。あれだけ消化管粘膜がなくなったら菌が侵入しても不思議ではない。
人工哺乳で育てられていたらしい。
発育や肉付きは良好に見えた。
飲みすぎ、飲ませすぎだったのか・・・・