朝、出勤したら疝痛馬が来ていた。
早くに分娩した馬で、もう大きな子馬と一緒に。
しかし、PCV76%だという。
口粘膜はチアノーゼ、そして斑状。
馬は痛がってはいないが震えている。
胃破裂?
超音波検査で腹水があるがひどく多いわけではない。
腹腔穿刺しようかと思ったが、それより直腸検査を先に。
骨盤腔で膨満した大結腸(大きさと太い腸紐があるのでわかる)に触り、つまむとひどく肥厚している。
結腸捻転の末期だ。
もう麻酔をかけられる状態ではないし、結腸の壊死もひどいだろう。
前夜も疝痛だったらしい。
「落ち着いた」ので様子を観たが、朝にひどい状態なのを発見した。
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腹側結腸が腹側にあるが、根元で捻転している。
左側結腸骨盤曲が折りたたまれて頭側を向き、右側にある。
捻れた根部を触っても回転方向を判断するのは難しい。
たいていは前回りだと考えて良い。だから整復は後回しに回す。
腹側結腸を押し込みながら、背側結腸を持ち上げて来る。
右側背側結腸、いわゆる胃状膨大部はひどく重く大きくなっている。
これで整復できた。
盲腸と入れ替わるように捻転していたので、もう盲腸の色調も悪い。
小腸も巻き込まれて紫色になっていた。
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Kentuckyの有名病院の馬外科医たちは結腸捻転を腹腔内で整復できるのだそうだ。
しかし、Kentuckyでの結腸捻転の生存率はわれわれよりさらに高い。
軽症のうちに開腹しているのが多いのだろうと思う。
重症になれば無理をすれば破裂させるリスクがあるし、
結腸の絞扼による損傷がひどくなれば空にして回復させてやることも重要だと思う。
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この症例が予後不良だったのは間違いない。
昨夜の疝痛で連れて来るしかなかったのだ。
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午前中、1歳馬の飛節OCDと第一趾骨底側突起の捻除骨折の関節鏡手術。
昼、血液検査業務。
午後、2歳馬の腕節骨折の関節鏡手術。
Neonatal Malajustment Syndrome の新生子馬が入院。
頚静脈留置、輸液、尿カテ留置、フィナステリドを経鼻投与、酸素吸入。
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冬の寒さはなくなったが、まだ風が冷たい。