3歳競走馬が競馬で左後肢の第一趾骨を骨折し、帰ってくることになった。
競馬場の先生からもX線画像を送ってもらっていたので準備と心構えができた。
到着して、2日間様子を観て輸送熱などないことを確認し、輸送の疲れをとって、手術することになった。
が、かなりヤバい骨折なのは覚悟していた。
ほとんど全長にわたって縦方向に割れている。
それも2本以上骨折線が見えているので、単純な縦骨折とは思えない。
おまけに途中で斜めに走っている。
「人」字型にわれたら命を助けることも難しくなる。
針を目印に、ドリリングしたが・・・・・へたくそ。近位へ向いてしまった。
もう一度ドリリングし直した。前の孔の近くに角度をずらして開け直すのは難しい。
その孔にキルシュナーワイヤーをさしこんでおいて、もう一ヶ所底側よりにドリリングしてタッピングしている。
関節面近くを2本で圧迫したいので。
まだscrewは完全には締めていないが、骨折線はかなり圧迫された。
なかほどにもscrewを加えた。
もっとも遠位のscrewは、骨折線に干渉しないように、斜めになっている骨折面を垂直に圧迫できるように、斜めに入れたい。
外底側から内側遠位向けて。
外側寄りから撮影すると遠位部に骨折線が見えてくるので、この斜めで遠位部の骨折線を圧迫できるはず。
骨折線が複雑そうなので、screwの本数は必要以上に多くない方が良いだろう。
術後はキャスト固定した。
吊起帯を着けて起立させて、吊起帯を外したところ。
この馬は麻酔覚醒でなかなか立ち上がらなかった。
競馬で疲れ、痛みで疲れ、輸送で疲れ、麻酔と手術でこたえたのだろう。
能力があるのは示した3歳馬。
あせらず復活してもらいたい。
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X線透視装置がほしい。・・・・CTでも良いけど;笑
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とうちゃん おつかれ~