2ヶ月前に馬栓棒と扉の間に後肢をはさんで怪我した2歳馬。
跛行が良くならず、臀筋もすっかり萎縮してしまった、ということで診断に来た。
診ると、跛行も筋萎縮もひどい。
立位でX線撮影したら・・・
長いものが、股関節に重なっている。
・・・・腸骨だ。
腸骨体がボッキリ折れて、これほど変位してしまうことは珍しい。
予後は悪い。
(よく腸骨動脈が大丈夫だったものだ)
2歳馬だが、筋萎縮がひどいのでこれだけ描出できたのだろう。
患肢を少し持ち上げて、股を開いてやや斜め下から撮影している。
撮影装置は90kb、コニカミノルタAeroDR使用。
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その数日前、1歳馬が後肢の跛行診断に来た。
収牧時に馬が集まっていて、下半身をひねって左後肢で跳び蹴りしたらしい。そして、右の臀部から落ちた。
「やっちまったな~」
3週間前の事故で、もう臀筋が少し萎縮している。
画像右が頭側、上が右側。
股関節臼が割れて開いている。
大腿骨頭も割れているかもしれない。
腸骨体が内転しているように見え、内側に剥がれたような骨片も見える。
予後は厳しい。
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跛行の程度と経過、臀筋の萎縮の具合、などからはっきりした骨盤骨折だと疑わない症例の方が、良いX線画像を撮って骨折を判断したいこともある。
全身麻酔して仰臥にすると、1歳馬だとこれくらいの画像が撮れる。
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こちらは数週前から後肢の跛行を示している当歳馬。
臀筋は萎縮していない。
跛行は良くなる傾向はない。
跛行は懸跛だ。右後を踏み込めない。前方短縮。
飛節の近位で神経ブロックしたが、跛行は変わらなかった。
全身麻酔して大型X線撮影した。
骨盤の問題による跛行ではないと推定していたとおり病変はない。
そして、後膝に病変が見つかった。
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薪割りも道具の使い分けがたいせつです;笑