1週齢の黒毛子牛が、疝痛するとのことで来院。
腹を蹴飛ばしたり、けっこうしっかり痛いとのこと。
この3日ほど下痢をしている。
カーフハッチで人工哺乳されている。
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超音波検査で小腸の膨満がたくさん見えた。
液状内容で動いている小腸と、
粥状内容で動いていない小腸、それぞれ何本も見えた。
「開腹手術してみましょうか・・・」
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吸入麻酔して、仰臥位にして、右傍正中を切開した。
いや、牡でペニスがあるかと思ったけど牝だった。
しかし、1週齢では臍を切ると膀胱がまだ付いていてややこしいことになる。
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小腸は全体が膨満している。
尾側から出てきた空腸下部は粥状内容で詰まって色調もよろしくない。
腸間膜付着部にはすこし膠様浸潤もある。
しかし、この詰まっているものは何だ?
まだミルクしか飲んでいない。
スターターも与えていない。
カーフハッチで飼われているので、親の配合や草を食べたりはしない。
粘土様で推送しにくいが、少しずつ反吻側へ送る。
しごかないで、もみもみして送る。その方が漿膜が傷まない。
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どうやら詰まっていたのはミルクに混ぜて与えたカービックらしい。
ベテランの牛の先生に訊いたらビオスリーは腸に詰まることがあるらしい。
下痢止めも効き過ぎるのなら注意が必要だ。
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詰まっていた内容はすべてではないが盲腸へ送り込むことができた。
子牛は、立てないまま温かくして運ばれて行った。
しかし、この子牛は立てないまま数日後に死んでしまった。
腸閉塞は解除されていたようだったが、日齢的にも、全身状態でも、手術と麻酔に耐えられなかったのかもしれない。
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相棒のぐあいはよろしくない。
波があるが、食べられないことがある。
暑いようで、上に上にへたりこんだりする。
口粘膜は貧血。
どこからか出血するのか・・・・