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Channel: 馬医者残日録
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18歳 有茎脂肪腫による空腸纏絡

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朝、飛節OCDの関節鏡手術の予定だったが疝痛馬が来るので予定変更。

繁殖牝馬の結腸捻転だった。

小腸まで張っていたので、私も手洗いして助手を務めた。

          ー

その間に細菌性関節炎の子馬が来て、

          ー

続いて、分娩後の繁殖牝馬の不調。

腹腔内に血液があり、発熱していて、ショック状態。

心拍は100以上あり、口粘膜は白い。

腹水の検査では細菌は見えず、腹腔内出血と胎盤停滞によるショックのようだった。

          ー

昼、血液検査業務。

午後、飛節OCDの関節鏡手術。

そのあと、繁殖牝馬の疝痛が来院した。

          ー

18歳。分娩後10日。

午後2時からの疝痛で、フルニキシンでは鎮痛できないが、メデトミジンで鎮静していると落ち着く。

しかし、切れると痛い、ということで来院した。

歩いてくる様子は痛みがあるようだったが、PCVは39%。

鎮静剤を投与したら大人しく立っていて、超音波検査できた。

結腸壁が見えたが、それほど厚くない。

直腸検査したが、腹圧は高くない。

結腸捻転に特有の所見はない。

         ー

外へ出したら青草を食べたいそぶりも見せたが、横臥した。

「開腹しましょう」

          ー

開けたら小腸が何重にも絡んでいた。

このままだとほどけない。

一番緊張している腸間膜を、血管がないのを確認してから切断した。

すぐにほどけて、脂肪の塊が取れた。

有茎脂肪腫が空腸に巻き付いて、それがもとで空腸が絡んだのだ。

他にも小さい脂肪腫がいくつもあった。

とても全部は取り切れない。

         ー

ほどけた空腸は、腸間膜の血管を結紮止血し、

壊死部を切断して内容を捨てて、

健常部で切断して端端吻合した。

         ー

終わって7時半。

もう今晩は安眠できる、と思ったのだけど・・・・

       //////////////

この枝垂れ桜は、すっかり花が咲かなくなっていたのだけど、

余計な枝を落とし、

肥料を与え、

夏には水やりもし、

昨年は大幅な剪定もしたら、

今年はほとんどの枝にしっかり花をつけた。

しろうと樹医としては成功体験だ。

 

 

 


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