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Channel: 馬医者残日録
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当歳馬の夏の疝痛 3

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夜、子馬の疝痛が重なって呼ばれる。

1頭は空腸重積。

回虫がいっぱいで蠕動がおかしくなり重積を起こしたようだ。

        -

もう1頭は、朝、下痢と疝痛で診療を受けた。

夕方、状態が悪くて獣医師が呼ばれ、送られてきた。

口粘膜蒼白、そしてチアノーゼ。

PCV47%、WBC3680. 乳酸値16!!

超音波で見たら、

腸管の外にも超音波輝度がある液体がある。

腸管の中にも、腸管の外(腹水)の中にも回虫らしい物体が見える。

腸管の中の回虫らしき物体はウネウネと動いている。

消化管破裂だろう。

胃破裂か腸破裂かはわからない。

念のために腹腔穿刺して腹水を採る。

腹水の白血球数をカウントして2780.

白血球がある程度あるということは、腹腔穿刺して採った液体は腹水であり、まちがって腸管を刺したのではないということだ。

しかし、念のために塗沫標本を作って確認する。

ひどい消化管破裂を起こすと、腹水なんだか消化管内容なんだか差が少なくなり断定するのが難しい。

          -

時間と手間がかかる。

むこうの開腹手術も腸管の切除吻合が必要で人手が要る。

担当獣医師は手伝いに来ていない。

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消化管破裂の子馬はあきらめて、開腹手術の腸管吻合が終わって手が空いてから剖検した。

胃破裂だった。

腹腔内も回虫だらけ。

回虫に有効な駆虫薬で駆虫しないとこうなりかねない

10年も前から何度もこのブログにも書いているんだけどね。

         ///////////

北海道最高峰。

晴れそうだけど・・・・今日は頂上が見えることはないだろう。

 

 


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