外顆骨折に伴って種子骨が縦に割れてしまう骨折についての成書 Equine Fracture Repair の記載の続き。
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文献には、種子骨軸側骨折についてふたつの報告がある。
一つは、2頭の馬での第三中手骨外顆骨折に伴って起きた外側種子骨の軸側骨折について注意を喚起するものだ。
2頭とも重度の変形性関節症を骨折と顆骨折の修復の3ヶ月以内に起こした。
もう一つは3頭の症例報告で、第三中手骨の変位した外顆骨折に伴って起きた外側種子骨の軸側骨折を報告している。
2頭の馬は顆骨折を手術したが、2頭には跛行が残り、変形性関節症を起こした。
軸側種子骨骨折の結果として深指屈腱への損傷について記載した報告もあり、のちのちの予後を悪化させる。
軸側骨折を関節鏡で評価することは正当なことであるが、予後を改善するかもしれないという症例報告はまだない。
中手骨骨折に適切な治療をすれば、受傷した馬は引退して快適にすごせるし、繁殖供用することもできる。
まれに、必然的に継発する変形性の関節障害が問題となるかもしれない。特に種雄馬では。
修復を可能にするほど内外の幅が充分ある骨折がときには判明する、しかし併発している関節の損傷の進行は運動機能が戻ることを阻害しうる。
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今のところ、この外顆骨折に伴う種子骨の軸側縦骨折の症例報告は多くないし、軸側縦骨折を内固定した報告もない、ということだ。
私は、外側から3.5mm皮質骨screwか、4.0mmscrewを入れて内固定してはどうかと考えたが、競走馬を引退して繁殖供用するということなのでやらなかった。
牡馬たちのために、練習しておく必要があるかもしれない。
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じゃないよ;笑
これじゃあ書き物できないし。