生まれてすぐ脛骨近位を折ってしまった黒毛子牛。
T型LCPで内固定した。
4日間立てなかったそうだが、9日後には患肢も完全に負重できるようになったとのこと。
5週間でX線撮影してもらった。
骨癒合は良好なので、47日目にプレート抜去することにした。
肢軸の異常もない。
体重76kg。
前回手術のときは0日齢で47kgだった。
黒毛子牛としてはとても大きかった。
何産もしている母牛なのだが、このお産では興奮してしまって子牛を蹴ったらしい。
痛かったのかも;笑
(76-47)/47=0.62
DG 1日増体量 0.62kg/day は黒毛新生子牛としては悪くない。
キャストをして3肢生活で6週間を過ごしたのでは、こうはいかないだろう。
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今週は酪農学園大から学生が研修に来ていて、術前・術中のX線撮影やら術野の準備やら手伝ってもらう。
折れた骨の全長をX線撮影する、という当たり前のことさえ意外に難しい。
予想したより骨癒合は速かった。
牛の、新生仔の治癒能力おそるべし。
粉砕していても、破片は摘出しないほうが良い、という私の経験からの判断にも確信を深めることができた。
子馬と子牛での骨端板損傷の内固定や、子馬の肢軸矯正手術での経験からすれば、
6週間の骨端板成長抑制の副作用(成長板の閉鎖、肢軸異常)は問題ないはず。
プレート抜去は minimally invasive technique で行った。
穿刺切開でプレートスクリューを抜き、最後にT-LCPは助手をしてくれた学生さんに引っこ抜いてもらった。
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こうして観ても骨皮質はとても薄い。
元の骨幹を包み込むように骨増勢して骨癒合している。
近位骨端部はかなり大きくなった。
治癒過程というより、骨折を飲み込んで成長した感じ。
私の歳になると、うらやましささえ覚える;笑
もうひどい骨折をしたら、骨癒合は望めない歳だからね。
ご同輩のみなさん、危ないことはやめときましょう;笑
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手術は吸入麻酔で行いました。
牛さんは麻酔覚醒も順調で、軽トラに積まれて帰っていきました。
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うちの敷地の株立ちのカシワ。
大枝の1本がお隣へはみ出していたので、チェーンソーで切り倒した。
40cm前後に輪切りにして(薪用語で「玉」って言います)運び出した。
もちろん割って薪にする。
カシワは最上級の薪になる。
翌日はちょっと筋肉痛。
私にはもっと筋肉と成長ホルモンが必要だ;笑