結腸捻転は発症から数時間で手遅れになることがあるので、
二次診療施設へ運ぶかどうか、初診で判断してもらわなければならない。
フルニキシンを投与して様子を観るくらいは牧場でもできる。
今は、強力な鎮静剤や鎮痛剤があって、投与すると馬は大人しくなる。
それが覚めてまた痛くなったときには手遅れになりかねない。
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疝痛馬の診断では、血液検査、直腸検査、超音波画像診断、胃tubeの挿入、などの方法がある。
結腸捻転の症例では、右腹部での超音波画像診断がかなりトリアージ”力”が高い。
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この馬は分娩5日目。
ちょっと変わっていて、右ケン部で肥厚した結腸壁が見えた。
正常時に右背側結腸がある位置では結腸壁の肥厚を確認できなかった。
これも肥厚した結腸壁。
この馬、PCVは36%なのだが、結腸壁の肥厚はひどい。
腹腔の頭側、肝臓と横隔膜の近くでも肥厚した結腸壁が見えた。
いずれの部位も腹壁の直下で、深さは4-5cmなので、ポータブルの超音波装置の直腸検査用リニアプローブでも見えるはず。
プローブを当てる部分の毛は刈った方が良い。
この季節、馬は冬毛があり、疝痛馬は泥で汚れていたりもする。
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確定診断や、状態の把握、まで含めた診断でなくてもいい、確信が持てるトリアージを手早くできれば、
牧場も、二次診療施設も、そして往診獣医師自身が、労力と時間を減らして馬を救える。
ひどく浮腫を起こした結腸。
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枯れススキの風情を楽しむために残しておいたススキを刈り倒した。
野原のススキはどういう仕組みになってるんだろ?