朝、出勤したら繁殖牝馬の開腹手術が始まるところだった。
術前PCV43%。
ひどくはないかと思ったら、結腸はひどい色。
夜間放牧していて、朝収牧して、飼いを食べ終えたと思ったら疝痛が始まったのだそうだ。
結腸の内容は青草でドロドロ。
内容は骨盤曲切開部から容易に捨てられるが、粘膜は壊死していて、全体の色調も回復しない。
結腸亜全摘する。
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土曜日なので、昼は血液検査業務。
そこへ放牧地で見つかったという繁殖牝馬の疝痛の依頼。
来院したら枠場で身をよじる。
直腸検査で小腸ループが触れるという。
開腹したら紫色の小腸が奥の方にある。
盲腸から回腸へ到り、回腸から上位へ・・・・絡んでいる。
容易に引き出せた。
空腸の中位の腸間膜に孔が開き、そこへ入り込むことで空腸捻転を起こしていた。
腸間膜の孔の辺縁は、新しい部分もあるが、瘢痕化している部分もある。
分娩時に腸間膜に孔が開き、今回、そこへ空腸が入り込み、孔が大きくなるように新たに裂けたのだろう。
5.7m空腸を切除し、吻合する。
吻合部より下位側は浮腫を起こして肥厚し、切断面の粘膜の色は悪かったが、収縮もあるので大丈夫だろうと判断した。
さらに切断するなら、回腸を盲端にし、空腸を盲腸へ吻合しなければならない。
それはさらに手技が複雑で、切断する腸管の長さも7mを超えて切断する限界に近くなる。
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夕方、家に帰って食事を始めていたら、繁殖牝馬の疝痛が来ます、と呼び戻される。
4時に収牧し、飼いを全部食べたら疝痛が始まったのだそうだ。
来院したら妊娠末期のような腹囲。
PCV40%。
立っていられない。
麻酔をかけた馬の腹は、結腸捻転だと結腸の膨らみがわかることが多いのだが、この馬はポンポコリンで丸いだけ。
急いで開腹する。
時間がかかると窒息するから。
疝痛発見から時間が早いので結腸の色は悪くない。
しかし、腹腔の右尾側に沈み込んだ右背側結腸の膨満がひどく、重くて持ち上げられない。
無理をしたら破裂してしまう。
術創を乳房の前まで延ばすが、出せない。
取りあえず、出せるところまで結腸を出して、骨盤曲を切開し、右背側結腸の内容は少しずつ腕で持ち上げて出していく。
とても危ない疲れる作業だった。
右背側結腸を空にできてようやっと腹腔内で結腸の前回り捻転を整復できた。
colopexyして終了。
だが、胃も小腸も内容いっぱい。
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1頭目も2頭目も、収牧して飼いを食べ終わってから疝痛が始まった。
食べ終わってから結腸捻転を起こしたのだ。
この季節、放牧されている馬は十二分に青草を食べている。
そこへ、また別の食欲をそそる餌を与えると馬は食べる。
飼い付け、必要ですか?
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3頭とも、私は助手をして若い先生に執刀してもらった。
入院厩舎で輸液を作りながら飲んだのは・・・・