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Channel: 馬医者残日録
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結腸亜全摘、とその後の・・・

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家に帰って、遅い日が暮れたころ、繁殖雌馬の疝痛で呼び戻される。

昼夜放牧されていて、夕方4時放牧地で軽い疝痛が見つかって、6時にはひどくなって連絡が来た。

来院して夜7時半。

開腹するが、結腸の色調はかなり悪い。

早く引き出して整復したいが、膨満していて引っ張り出すのがたいへん。

補液管を刺して吸引するが、内容はガスではなく粥状物がいっぱいで減圧できない。

なんとか引き出して、骨盤曲切開して、青草ドロドロの内容を抜いた。全体の全体の色調はかなり良くなったが、切開部の粘膜は暗黒赤色で壊死の状態。

右側結腸も、漿膜面から筋層と粘膜下織と粘膜の色の悪さが透けて見える感じ。

            -

結腸切除することを決断して、もう一人当番獣医師を呼び出してもらう。

結腸動脈を3重に結紮止血する。

腹側結腸と背側結腸を切断するが、切断部の粘膜も色がよろしくない。特に背側結腸。

ことしは何頭も結腸切除している。

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翌日の状態はひどいものではなく、退院していった。

ところが術創にトラブルがあり、2日後に戻ってきた。

腹壁を閉じた1 monocryl が切れるか、結紮が解けたらしい。

太いモノフィラメント糸は結紮が解けやすいし、器具のエッジで傷みやすいので取り扱いに注意が必要だ。

あいにく他の馬が骨折で手術中だったので、倒馬室で静脈麻酔で仰臥にしておいて、今度は私が 2 polysorb(吸収性編み糸) で縫合した。

膝立ちになったり、中腰だったりで1時間ほど手術したら、次の日はお尻まわりが筋肉痛だった。

           //////////

ヤマボウシ・サトミ

花のように見えるのはほんとうは花じゃないらしい。

その中心部に花があり、秋には実がなるんだけどね

 

           


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