出勤したら、昨夜は帝王切開があったそうで入院馬1。
・午前中は飛節OCDの関節鏡手術。
・急患で、生後2日齢の雄子馬の膀胱破裂。
韓国済州島からの研修の先生に助手をしてもらって手術する。
破裂している部位がかなり尾側よりで、縫合閉鎖するのに少し苦労した。
・午後、橈骨骨折が治った黒毛和種子牛のプレート抜去。
プレート固定後7週間。
・夕方、10日前に放馬して側溝へ落ちた1歳馬の肩跛行の診察。
肩関節より近位がひどく腫れている。
普通にポータブルX線装置でDRで撮ったのでは、肩関節が崩れていないことしかわからない。
肩甲骨関節上結節の骨折なら判断できただろう。
大型X線装置で、肩甲骨を撮ったら、肩甲骨が折れているのがわかった。
わかる?
肩甲骨は、肩関節部を除けば薄く平べったい骨で、内外方向で撮影しても形状を描出するのが難しい。
肩甲骨部の出っ張りをかすめるように、腹尾方向から背頭方向へポータブル撮影装置で撮り直した。
肩甲骨の”頸”部分で、完全に折れて変位している。
破片もある。
もう日数も経って、筋肉も収縮し、周囲の傷んだ組織も瘢痕収縮し始めているので、とても整復もできないだろう。
あきらめる。
剖検して、肩甲骨頸部が破片のある斜骨折しているのを確認した。
ー
肩甲骨体が折れているとX線診断しにくい。
横からではなく、肩甲骨をすかすように撮ると「く」型に折れているのが診断できることがある。
若い獣医さん、覚えておいてね。