仕事復帰
仕事復帰して、 朝一、1歳馬の副鼻腔蓄膿。顔が変形している。こういう副鼻腔蓄膿は副鼻腔内部も変形している。 ー 繁殖牝馬の疝痛の来院。20歳で、リードホースとして活用されている馬。 リードホースとしてとても優秀なのだそうだ。 予想どおり有茎脂肪腫による空腸の絞扼だった。 空腸端端吻合できた。 ー 午後1時の予定の手術は2時半にずらしてもらった。...
View Article冬の1日 感染性腱鞘炎、耳瘻管摘出、便秘疝、EE、飛節OCD、骨盤骨折
2歳馬の感染性腱鞘炎。needle to needle で腱鞘洗浄。 ー 2歳馬の耳瘻管。 たいていは膿性の粘液が出る、ということで当歳時に手術するが、この馬は肉芽様の塊ができている。 左耳は角化した管状物が突き出している。 まあ、耳瘻症に間違いないのだろう。 静脈全身麻酔下で摘出した。 ー 「あがり馬」の疝痛が来院。...
View Article冬の悲劇 骨盤骨折
2歳馬が後肢のひどい跛行。 飛節以下はX線検査し、Low4でブロックしたが無反応、とのこと。 来院したが右後はほとんど負重不能。 「どこか押して痛いとこありました?」「ない」 とのことだが、右の股関節あたりは押すまでもなく、馬が触られるのを嫌がる。 その付近はなんとなく腫れぼったいように私には見えた。 ー 立位で股関節のX線撮影。...
View Article冬の悲劇 肩甲骨骨折
出勤したら、昨夜は帝王切開があったそうで入院馬1。 ・午前中は飛節OCDの関節鏡手術。 ・急患で、生後2日齢の雄子馬の膀胱破裂。 韓国済州島からの研修の先生に助手をしてもらって手術する。 破裂している部位がかなり尾側よりで、縫合閉鎖するのに少し苦労した。 ・午後、橈骨骨折が治った黒毛和種子牛のプレート抜去。 プレート固定後7週間。 ・夕方、10日前に放馬して側溝へ落ちた1歳馬の肩跛行の診察。...
View Article助けられない分娩事故と小腸閉塞
出勤したら前夜から子宮穿孔疑いの繁殖牝馬が入院していた。 分娩5日後、発熱、元気食欲不振、腹水増量。 腸管手術歴がある。 「それは開けなきゃだめでしょ」 予定を変更して、朝一で開腹したが、子宮は穿孔していない。 消化管か・・・・? この馬は、回盲部重積で回腸盲腸バイパス手術を受け、 その2年後、網嚢孔ヘルニアで開腹手術を受けたsurvivor 。 その回腸盲腸あたりに穿孔が見つかった。...
View Article1歳馬の鼻骨陥没骨折
チャットでの診療依頼。 1歳馬が顔面を陥没骨折しているとのこと。 X線画像も添えられていて、陥没骨折、そして副鼻腔構造も潰されているのが確認できた。 数日以内に陥没を持ち上げ、プレート固定する手術をした方が良いが・・・ しばらく予定が空いている日はない。 明日は、内部の調査研究発表会が10時から予定されている・・・・・ 朝一に来てもらって、発表会開始前に終わらせよう。 ー...
View Article子牛の消化管閉塞への対応は難しい そして、「ともぐい」
朝、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。 ー そのあと、1歳馬の原因不明の発熱。 腹腔内におそらく膿瘍と思われる塊が見つかった。 ー 1ヶ月齢で、腹囲膨満し治療を受けた黒毛和種子牛が死亡した、とのことで剖検依頼。 第四胃捻転だった。 すでに壊死が始まり、腸管が癒着していた。 早く開腹すれば助かったかもしれないが、そのタイミングがいつだったのかはわからない。...
View Article細菌性関節炎、前庭障害、結腸捻転、腸管脱出、臍帯炎
予定の診療に余裕があった日曜日。 堆肥場の周りの倒木の片付けをしようと思っていたのだが・・・・ 出勤したら手術に難産が続いたようで、あちこちにその痕跡(汚れ)が残り、洗濯物がいっぱい。 アイロンがけして、手術用覆布を滅菌できるようにケッテルに詰める。 ー 朝一は繁殖牝馬のフレグモーネと細菌性関節炎。肢が痛くなって、流産もしてしまい・・・・...
View Article日曜日だった
予定の診療も、急患も、忙しい。 先週実習に来ていた学生は、結局すべての夜に呼び出されたそうだ。 良い実習になったことだろう;笑 その前に韓国から研修に来ていた獣医さんは、 「テロに遭っているようだ」と言っていたそうだ。 そう、ここは安全な場所ではない。 ー 朝、尺骨骨折が治った1歳馬のプレート抜去。 私は途中で抜けて、突然死した1歳馬の剖検。 出血性腸炎だった。 検査に出して...
View Article周りの助けを呼ぶことの大切さ
5日齢の子馬が膀胱破裂のようだ、との診療依頼。 子馬は立っていて、一般状態は悪くない、とのこと。 腹腔穿刺して腹腔の尿を排泄させ、乳を飲ませないようにして来院させるよう指示する。 臍から尿が漏れていた子馬だとのこと。 新生子馬の膀胱は臍へつながっている。 その部分で腹腔へ破れて尿が腹腔へも漏れているのかもしれない。 ー 来院して、子馬は抱えられながら歩いて診療室へ入ってきた。...
View Article救命救急の非日常的日常
午前中、6歳競走馬の繋靱帯炎のトリミング手術。 左右両前の内側繋靱帯だった。 ー 7歳繁殖牝馬の疝痛の依頼。 分娩4日後。 PCV39%、乳酸1.9mmol/l。 超音波で、結腸壁は厚いかな?と思う部分もあるが、右背側結腸ははっきり正常。 直腸検査しても、腹圧も高くなく、結腸の膨満も触れない。...
View Article重度の下顎切歯骨骨折
下顎や上顎の切歯をひっかけて、めくれてしまうことがある。 育成馬に多い。 病傷名としては「切歯骨骨折」としているが、 「歯がめくれただけじゃない」 とおっしゃる方も居るかもしれない。 しかし、馬の切歯は歯槽に刺さり込んで支えられているので、切歯骨も割れている。 骨折事故でもあるわけだ。 もちろん生え替わり時期の乳歯はそうではない。 ー これは4歳馬。...
View ArticleColopexy 6年後のrepair service
分娩した馬が、分娩して48時間以上軽度な疝痛が続いているので来院。 この繁殖牝馬、6年前に結腸捻転で開腹手術を受けている。 colopexyもしていて、その後も受胎、分娩しているが疝痛はなかった、とのこと。 直腸検査すると、盲腸が異常な膨満、腸紐も緊張している。 軟らかい便とガスは抜けてきているが、開腹手術した方が良さそうだ。 ー...
View Article大動物獣医さんのphysical スキー・スノボのススメ
馬医者は、春は忙しいし、近年は北海道も夏は暑い、そして北国の秋は短い。 physicalを鍛えておきたいと言っても、なかなか。 冬の間にウィンタースポーツしよう。 北国は、スケートのエリアとスキー・スノボのエリアに分かれている。 北海道だと、苫小牧、帯広、釧路など太平洋側はスケートの地域だ。 小樽・札幌、旭川・富良野など雪が多い地域はスキー・スノボ。 まあ、大人は車で移動できるので問題ない。...
View Article冬の悲劇 肩甲骨骨折
出勤したら、昨夜は帝王切開があったそうで入院馬1。 ・午前中は飛節OCDの関節鏡手術。 ・急患で、生後2日齢の雄子馬の膀胱破裂。 韓国済州島からの研修の先生に助手をしてもらって手術する。 破裂している部位がかなり尾側よりで、縫合閉鎖するのに少し苦労した。 ・午後、橈骨骨折が治った黒毛和種子牛のプレート抜去。 プレート固定後7週間。 ・夕方、10日前に放馬して側溝へ落ちた1歳馬の肩跛行の診察。...
View Article結腸捻転・変位の開腹部位、そしてcolopexy部位、われわれの方法とKentucky式
この結腸捻転馬は、全身状態も悪くなく、結腸の膨満もひどくないので、 腹腔内で捻転を整復できるかも?ということで、かなり頭よりを開腹した。 胸骨剣状突起から15cmのところから切り始め、 術創の長さは17cm。 臍からの距離が13cm。 結果的には、この術創から捻転した結腸を整復することは私にはできなかった。 Kentuckyの有名馬病院の外科医は、結腸捻転のほとんどを腹腔内で整復している。...
View Article覚醒起立しそうな馬を抑え込む方法
馬を全身麻酔して、その覚醒、起立のphaseは最も事故が起こりやすい。 まだ寝ていてもらいたい馬が、体を起こそうとしたとき、 馬を押えつける必要がある。 そのときの方法。 写真はEquine Anesthesia から。 馬を抑えているお方は、その本の著者でもあるDr.Muir . でっかい、たくましい人だった。 ー この方法を知らないと、頭、首、体を押さえようとしてしまう。...
View Articleまたまた、また結腸切除
分娩後の繁殖牝馬の疝痛。 典型的な分娩後の結腸捻転。 結腸を創外へ出して、骨盤曲を切開するが・・・・ 粘膜の色は極端には悪くない。 しかし・・・・ 結腸基部よりが色調の回復が悪い。 表面、つまり漿膜の色、というより深い部分、筋層が傷んでいる。 結腸切除、亜全摘することにした。 この母馬が生き残っても、どんどん食べて、十分に乳が出るとは思えない。 乳母馬を頼んでもらうことにした。...
View Article馬をぶら下げて運ぶためのhobble あるいはsling
馬全身麻酔するのに、前処置(鎮静剤投与)して、 倒馬剤(短時間麻酔剤投与)して、 気管挿管して、 手術室の手術台へ運んで、吸入麻酔を始める。 ー 私たちにとっては日常で、確立された手慣れた方法なのだが、 獣医さんでも観たことがない、とか、想像がつかないとか、 できるようにしておかなければいけない、という大学の先生もいらっしゃる。 ー...
View Article新生子馬の肋骨骨折の内固定
3日齢の子馬が肋骨骨折と胸腔内出血があるとのことで来院。 早期胎盤剥離だったので、急いで引っ張り出した、とのこと。 それ自体は仕方がないことだ。 子馬は貧血もしているので、輸血をしてから肋骨の整復と固定手術をすることにした。 私は15年前に1頭経験がある。その時は結束帯で固定した。 新生子馬を診たら、肋骨が折れていないか左右で1本1本よく触ってみなさい、 ということになっている。...
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