骨折をできるだけ整復したら、
骨鉗子で仮止めする。
そして、骨折部がlag screw を入れられる形状なら、lag screw で固定する。
(lag screw は、4.5mmのgliding hole を開けて、そこへ3.2mmドリルガイドを入れて、対側皮質まで3.2mmドリルで貫いて、深さを測って、タップを切って、screw を入れる、という操作なので、
やっているうちに骨折部がずれてしまいがち。
細いキルシュナー鋼線で骨折線を貫いておいて、ずれないようにしてからlag screw を入れると良いかもしれない。)
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そして、contour したプレートを載せて、
最初のスクリューは、骨折部に近いところから入れていく。
というのが基本。
横骨折なら骨折部から1cmちょっと、
斜骨折なら3-5mmあたりが、最初のスクリューの位置になる。
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しかし・・・・・
これは馬の中手骨、あるいは中足骨のプレート固定をモデルにプレート固定の基本を説明する図。
・骨折線を跨ぐように骨鉗子をかけて仮止めしたら、
・3.5mm皮質骨スクリューを2本、lag法で入れて補助固定。
・contour したプレートを当てて、骨鉗子で留める。
・プレートは骨の表面に沿っているが、骨折部ではprebending(対側皮質にもcompressionを働かせるため1mmほどプレートが浮くよう「へ」に曲げておく)している。
・そして、骨折部を避けたところに最初のスクリューを入れる。
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実践的になると「基本」で説明されていたことと、少し異なっている。
プレートを載せる位置が、斜骨折の先を押さえる位置(側面)ではない。
仮止めのlag screw を入れることを優先したからだろう。
側面にプレートを当て、lag screw はプレートスクリューとして入れる方法もあったと思う。
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最初のスクリューは骨折線近くに、とは意識していないようだ。
続きの図。
2番目のスクリューは近位から2番目の孔に入れている。
そして、骨折部の両側へ交互にスクリューを入れていく。
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中手骨という具体的な部位が対象になると、原則としての基本から少し外れた方法になる。
骨折部近くの整復とcompression にこだわっていると、中手骨というわりと直線な骨の全体がひずむ可能性があるから、かな。
骨折部をぴったり合わせることは大事なことで、そのことで骨全体の整復もうまく行くことが多いが、
骨折部に崩れがあると、ぴたりと合わせると骨全体の alignment がずれることがある。
横骨折だと外旋、内旋していないかにも注意が必要。
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枝垂れる植物は、重さや風に逆らわず、枝垂れることで生き残る戦略を選んだのだろう。
”高等”動物と名乗っている脊椎動物は骨を持つことで生き残ってきたが、地球上でもっと繁栄しているのは昆虫やダニの節足動物だ。
骨折しないし、足が千切れても生きていける。