馬の肝臓が年齢とともに萎縮するなら、それは体表からの超音波検査でわかるのか?見えるのか?
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臨床的に正常な馬での超音波画像で見える肝臓の位置
Aust Vet J 2016 Jun;94(6):192-6
Johns I.C. Miles A
目的: 超音波は、肝機能障害が疑われる馬の評価に広く使用されている。サイズの変化は病理学的変化を示唆していると考えられるが、馬の肝臓超音波検査で見える位置(HUVL)を定義する明確なガイドラインは存在しない。この研究の目的は、正常な馬のHUVLを記述し、これが症状、体高、体重、および母ティーコンディションスコア(BCS)によって変化するかどうかを判断することであった。
デザイン: 前向き観察研究。
方法: 臨床的に正常で肝疾患の既往がない58頭の馬で、両側超音波画像検査を行った。肝臓を観ることができた最も頭側/尾側の肋間 (ICS)、肝臓が視覚化された ICS の総数、および肝臓の腹側範囲が記録された。
成績: 肝臓は、58頭中56頭(97%)で右側、58頭中41頭(71%)で左側、39/58頭(67%)で両側に視覚化された。最も頭側のICSは5(右)または4(左)で、最も尾側は16(右)または11(左)であった。肝臓はICS 0-11(右)とICS 0-5(左)で視覚化された。肝臓は、肋軟骨接合部の腹側では視覚化されなかった。性別、品種、体高、体重、BCSによるHUVLに対する有意な影響は認められなかった。肝臓は、若い馬(ICS中央値7)と比較して、24歳以上の馬では有意に少数の右側ICSでしか見えなかった(ICS中央値3.5)(P=0.016)。
結論: これらの知見は、肝臓は右側で一貫して視覚化されるべきであるが、左側では超音波検査で見える肝臓がないことは臨床的に意味がある可能性は低いことを示唆している。肝臓の大きさは、高齢の馬で減少する可能性がある。
ー右では5~16肋間、左では4~11肋間で肝臓が見えることがあった?、と書いているが、右では0-11、左では0-5とも書いてあり、どういうことなのか全文を読んでみないとわからない。
ネット上で購入して読めるが・・・・・・買わない;笑
いずれにしても、紹介したかったのは、年齢がいくと肝臓右葉が小さくなることが体表からの超音波画像検査でもわかる、ということ。
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馬の肝臓がどの位置で見えるか、どのくらいの部分が見えるかは、大腸をはじめとする消化管の膨満の程度によってずいぶん異なる。
ほかの動物での経験が乏しいので、ヒト、小動物、牛でどうなのかはわからないが、疝痛馬で腹囲膨満していると腹圧が高くなり、肝臓は頭側へ押しやられている。
そして、膨満した大腸に覆われて肝臓右葉も見える部分が減少する。
痩せた馬と太った馬でも異なる。
痩せた馬では腎臓も低い位置(腹側)に体表からの超音波画像検査で見える。
太った馬では腎臓は背中側に張り付いて見える。
臓器の位置、大きさ、そして体表からの超音波画像での見え方は、その個体の状態によってもかなり異なる。
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肝臓が小さくなるほど喰うなよ。と私は思うと書いたが、飼われている馬は自主的に食べる量を調節しているか?
肝臓が小さくなるほど人が喰わせている、とも言える。
どう思いますか?
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オーストラリアの人口ってどれくらいだか知ってるかい?
2,660万、日本の1/5~1/4だそうだ。
馬は多いのか?
日本の獣医さん、日本の獣医学、日本の馬医者も負けてられないと思う。
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シラカバを薪割しながら、あ~三方六、と思う。
銘菓「三方六」
十勝地方の開拓時代、薪を買ってもらうためには、三方を6寸以下に割って下さいよ、が条件だった、ということから名付けられたらしい。