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Channel: 馬医者残日録
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慢性「砂のぼり」?

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競走馬時代から後肢の蹄内感染を繰り返している馬。

繁殖になったが最近また蹄が痛く、蹄冠部に自潰した。とのこと。

x線画像では蹄骨に丸い陥凹部ができている。

柱状の角壁腫も疑われる所見と経過だ。

                    -

全身麻酔して「掘る」ことにする。

剪鉗で切ると、かなり大きな感染創が出てきた。

もっと切って削るが、異常な塊状の組織はなく、蹄骨の陥凹部まで空洞になっている。

角壁腫ではなく、慢性の感染で圧迫されるのと骨吸収で陥凹したようだ。

しかし、感染部は蹄冠へ向けて続いている。

削ってしまわなければなるまい。

                     -

装蹄師さんが帯同してきていたので装蹄師用のリングキュレットで削ってもらう。

水平方向にできた裂蹄部まで削ってもらった。

溝状部にFRパスタを塗ったガーゼを詰める。

蹄が割れてしまわないようにワイヤーで締結してもらった。

あとはホスピタルプレートを付けた蹄鉄を接着装蹄した。

蹄冠部から蹄が伸びて蹄底に到るまで数ヶ月かかるが、今度こそ完治してもらいたい。

                     ///////////////

あの月を

獲ってくれろと

泣く子かな

 

 


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