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子宮平滑筋腫 leimomyoma of uterus
提出組織は腫瘍組織を認める子宮組織です。 (取り違えとかはない;笑)
子宮内膜下に平滑筋細胞由来の腫瘍組織を認めます。 (粘膜;子宮の場合は「内膜」と呼びます。の下の腫瘍で間違いない)
紡錘形の腫瘍細胞束が交差する所見を認めます。 (自潰するような腫瘍ではない)
腫瘍細胞は比較的均一な楕円形の核を有します。 (性質の悪い腫瘍ではなさそうだ)
腫瘍細胞の核分裂像は不明瞭です。 (極端に増殖が速い腫瘍ではない)
子宮内膜に細管構造を認めます。 (表面には内膜をかぶっていて、内膜の機能も残っていたのか?)
子宮内膜間質にリンパ球主体の炎症細胞浸潤を認めます。 (ふむふむ、炎症も起こしてたのね)
子宮組織に化膿性炎症所見ならびに悪性増殖所見を認めません。 (でも炎症はひどくないし、子宮腺癌の可能性もない)
注)子宮内膜下に平滑筋由来の良性腫瘍を認めます。子宮部~膣部の平滑筋腫の発生は性腺ホルモンの影響を受けると考えられており、局所コントロールには切除が有効ですが、多発性(多中心性)に発生する可能性が心配されます。
(予後は悪くないだろうけど、また出てくるかも)
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( )内は病理を真剣に勉強したことがない馬臨床家の印象です。
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手術して組織を取り出すと、必要を感じたら病理組織検査へ出すようにしている。
その組織がどういう性質のものか知っておくことは、
・今後の治療方針を立てるのに役立ち、
・予後判定につながることもあり、
・また同じような症例に遭遇した場合の参考にもなる。
・記録を残したり、さらには症例報告しておけば、他の獣医師への情報提供にもなる。
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ホルマリンに漬け、漏れないように梱包し、宛名書きして、臨床所見を書き、病理組織検査してくれるところへ発送する。
「生体組織学的検査」ということで家畜共済の保険点数が設定されているが、その点数で検査してくれる検査機関はない。
おまけに送料や資材費もかかるので、やればやるほど診療所の持ち出しになる。
まして、すでに死亡した患畜の病理組織検査だと保険給付されないので、丸っきり診療所の経費的負担になる。
それでも、きちんと必要な症例を判断して病理組織学的診断をしていかなければいけないと思っている。
その馬のためにも、今後のためにも。
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赤茶色の紅葉はすっかり里にも降りてきた。
ぼちぼち山では雪も降るだろう。
タイヤ交換もしなきゃ。