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Channel: 馬医者残日録
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馬の顔色

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朝、直腸膣瘻の手術・・・・の予定だったが、診察したら治っていた。

直腸膣瘻はごくまれに自然治癒することがある。

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流産後に調子が悪い繁殖雌馬が来院。

この数日、中程度の疝痛を示し、ひどく脱水している。しかし平熱、あるいはかえって低体温。

超音波検査で腹水増量を確認し、腹腔穿刺で腹膜炎を確定診断した。

しかし末梢血の白血球数は6000ほどある。

腹水のクレアチニン・BUNはひどく高かったが、血清の方がもっと高かったので、膀胱破裂は否定。

消化管損傷か・・・・?

しかし、消化管破裂ならこんな程度にとどまってはいないはず。

輸液して様子を観ることにした。

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午後は、当歳馬の種子骨骨折の関節鏡手術。

終わって、繁殖雌馬の開腹手術する。

ひどい腹膜炎で、すでに癒着が始まっていて・・・・

子宮穿孔が確認され、予後不良と判断した。

子宮頚管のすぐ奥の背側だった。

なぜこんなひどい腹膜炎を起こしたのか、それもまだ分娩予定まで3ヶ月ほどある流産で・・・・わからない。

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午前中から、5時間ほどで20リットル近く輸液しても口粘膜の紅潮、不潔感は変わらなかった。

「状態悪いですからね、厳しいですよ」とは言っておいた。

「顔色」を判断するのはとても重要なことだ。

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斜面にいるのは、クワガタムシ、じゃなくて

3つ叉の角をもつ雄鹿。

相棒は追いかけたがるけど、角を持った雄鹿はけっこう危険。

 

 


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