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Channel: 馬医者残日録
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疝痛・慢性貧血・副鼻腔蓄膿・「繋靭帯炎」・大腿骨骨嚢胞・球節腫瘤摘出

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朝、、繁殖雌馬の疝痛。

前日から発汗が続き、疝痛なのだが、転がることも寝ることもしない。鈍痛。

腸閉塞があるのかどうかも判断できない。

様子を観てもらうことにする。

                       -

慢性貧血の競走馬。

どうやら血小板減少症のようだ。

口粘膜は貧血と黄疸、わずかに点状出血がある。

腹腔・胸腔を超音波スキャンしたが、腹腔リンパ肉腫は否定、縦隔型リンパ肉腫もほぼ否定。

肝・腎にも異常認めず。

肺胸膜面には小さなコメットテールが散在している。小出血巣の可能性大。

血小板数の割りに貧血が進んでいるので自己免疫性というより骨髄の問題か・・・・

やってみるならステロイド治療かと思うが、競走馬だし、フレグモーネ持ちだ。

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「鼻がブーブー鳴る」1歳馬。

「当歳馬のときに顔を蹴られた」と聞いていたので、鼻中隔の変形かと思っていたが、

顔が腫れている。

副鼻腔蓄膿だ。

X線撮影で副鼻腔に完全なくもりがあるのを確認した。

しかし、後上顎洞ではない。

後上顎洞をドリルで穿孔したら血様漿液が流れ出てきたが、膿は出ない。

前頭洞をドリル穿孔したら、血様漿液だけでなくクリーム状の膿が付いて来た。

管を入れて洗浄したら、鼻孔から膿が大量に流れてきた。

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かなり洗ったところでx線撮影しなおしてみた。

くもりがあった部分の半分のくもりが消えている。

部屋の底に溜まった膿はまだ完全には洗えていないのだろう。

これから何日か洗浄を続ける必要がある。

それで感染と炎症が治まり、ゆがんでしまった副鼻腔や中隔が正常な形に近づけばいいのだけど。

                        -

美浦から帰る途中に時間指定して「繋靭帯」を検査しに立ち寄らされた競走馬。

輸送途中ではなく、日をあらためて、今までの経過をはっきりさせて、その上で来院しないと跛行診断もできない。

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午後は2歳育成馬の大腿骨骨嚢胞のスクリュー固定。

「ついでに」球節の切開沈着をともなう異常組織を摘出した。

ガングリオンや滑液腫ではなく、珍しい。

徐々に大きくなってきていたとのこと。

再発しなければいいのだが。

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いっぱいやったが、5時には終わる。

痛む肘をアイシング。

明日はローテーションをはずれ、登板(当番)なしだ;笑

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晴れて、日中は陽射しにわずかな暖かさを感じる。

明日は何して遊ぶ?

 


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