夜、9時ちょうどに難産の依頼。
と思ったら、1分後に繁殖雌馬の疝痛の依頼。
どちらが先に来るか、難産はどの部屋で処置して、疝痛はどの部屋で診察するか・・考えながら準備する。
難産は来たら途中で生まれましたなどということは絶対ない。しかし、疝痛は来たら治まっているといこともある。
とりあえず職員獣医師2名+研修獣医師1名+現場からの獣医師で対応できるだろう。
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難産はすぐ全身麻酔した。
破水からすでに1時間以上経っている。仔馬が生きているならできるだけ無理なく早く出した方が良い。
両前腕節の屈曲だったらしいが、片方はすでに整復されていて、残りの片方を整復して・・・あとは引張るだけ。
腕節も球節も屈曲変形がある仔馬だったが、程度はひどくないのでなんとかなるかもしれない。
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その間に、疝痛馬を枠場へ入れるが、痛みで立っていられない。
倒馬室は難産で使っているので、診療棟の反対側の倒馬室で全身麻酔を始めることにする。
しかし、そちらへ入れたらなんとなく落ち着いたかもしれない、と言うので、また診察室の枠場へ入れる。
超音波で体表から診たら・・・肥厚した結腸らしき腸管が観えた。
疝痛は鎮静剤と鎮痛剤で一時的に抑えられているだけ。
開腹手術することにした。
もう一人の当番獣医師を呼ぶ。
かなりひどい結腸捻転だった。
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手術が終わって、午前0時20分。
たいていは1時間ほどで立ち上がるが、この馬はなかなか立てなかった。
ひどい痛みで、発汗し、苦悶する時間は、体にかなりのダメージを与えるのだろう。
もちろん結腸もかなり傷んでいた。
ようやく立ち上がったのが午前2時頃。
それからもしばらく歩けるようにならなかった。
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3時にはフトンに入って眠ったと思ったら、5時7分に起こされた。
別な牧場の繁殖雌馬が疝痛とのこと。
近くの牧場なので急いで準備する。
夜中の手術の後なので、手術台も麻酔器も輸液も用意していない。
洗濯器の前は洗濯モノが溜まっている。
来院したら、「前日からの疝痛で、ひどくはない」とのこと。
しかし・・・・やはり超音波検査でひどく肥厚した結腸らしき腸管を確認できた。
右肋部で肝臓の横に結腸動脈。180°あるいは180+360°捻れている。
開腹したら、結腸便秘のあげくの結腸捻転だった。
「仔馬が調子が悪く、しばらく放牧できなかった」とのこと。
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午前中に予定していた3関節を処置しなければならない「大」手術は延期してもらう。
この4月は暇だ;笑
延期するにしても、「再来週にしてください」、なんてことはないから。
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裏山のコブシの樹を観にいった。
まだ満開じゃないな。