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Channel: 馬医者残日録
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仕事初め

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きのうは、剖検馬がどっとやってきた。

流産後の出血死、

子宮広間膜膿瘍と腹膜炎、

子宮動脈破裂、

老衰、

十二指腸破裂、

正月の間、受け入れを中止したらそれも仕方ないことだ。

                       -

今日は手術初め。

ところが朝から急患。

4月分娩予定の繁殖雌馬がひどい疝痛、とのこと。

PCV44%、乳酸値1.7mmol/l、白血球数8300/μl、ひどくはない。

来院したら立っていられない。

疝痛が始まってまだ2時間ほど。慎重に判断した方が良い。

サク癖する馬でときどき疝痛を起こすそうだ。

鎮静剤を投与して枠場に入れて、直腸検査するが著変認めず。

体表からの超音波画像診断で・・・・・

妊娠子宮の近くに妙なものが見えた。何だ?

右下腹部で著しく肥厚した小腸が見えた。

「手術した方がいいです」

                          -

盲腸は容易に出せた。回腸を吻側へ辿ろうとすると、どこかへ入り込んで出てこない。

どうやら網嚢孔へ入り込んでいるようだ。

なんとか引き出した。

が、入り込んでいた空腸下部から回腸はひどく肥厚している。

色調は薄紫だったが、かなり回復した。

腸間膜は出血しているが、動脈の拍動はしっかりしている。

腸管はほとんど点状出血はない。

しかし、入り込んでいた部分の最吻側には出血斑がある・・・・触れるとそこが薄くなっていて、筋層が断裂しているように思う。

指ではじくと収縮する。

一度腹腔内へ戻して、回復具合を見る。

さらに色調は良くなった。出血斑も薄くなった。これならなんとか切除吻合せずに済みそうだ。

                             -

午後は、明けて2歳になった育成馬の大腿骨骨嚢胞の関節鏡手術。

という仕事初めだった。

 

 

 


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