大掃除の最中に
ことしの仕事と診療を振り返れば、何が10大事象だっただろう・・・・ ・韓国行き! ・九州宮崎で子牛の骨折内固定の実習 ・旭川で産業動物獣医学会、賞もらった!(もらっちまった;笑) ・Dr.Ducharme来日 診療はエポックメイキングな症例はなかったかな。 子牛の橈骨骨折のダブルプレートはうまくいったし、子牛の橈骨骨折は初めてだったけど、今となっては難易度が高いわけじゃなかった。...
View Article謹賀新年2017
あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 - 今年は大きな変化がある年になりそうです。 NOSAIは、北海道の南、後志、胆振、日高、石狩地域が合併され、新組合になります。 私の職場もそれに伴って名称も変更になります。...
View Article仕事初め
きのうは、剖検馬がどっとやってきた。 流産後の出血死、 子宮広間膜膿瘍と腹膜炎、 子宮動脈破裂、 老衰、 十二指腸破裂、 正月の間、受け入れを中止したらそれも仕方ないことだ。 - 今日は手術初め。 ところが朝から急患。 4月分娩予定の繁殖雌馬がひどい疝痛、とのこと。 PCV44%、乳酸値1.7mmol/l、白血球数8300/μl、ひどくはない。...
View Article正月の激しいトレーニング
正月はニセコでスキーしてきた。 呼吸を乱し、筋肉痛になるほどの運動を数時間するのは、激しいトレーニングになる。 他のスポーツだとそうそうできない。 ジョギングを数時間するのも無理。 もう難しい斜面を滑りたいという意欲はなくなってしまった。 新雪やコブ斜面を滑れても、息が続かなくなった。 それでも良いトレーニングだと思ってときどきスキーしよう。...
View Articleドサンコの脛骨内果骨折
11月に飛節を腫らして跛行するようになったドサンコ。 12月にX線撮影したら、おおきな骨片が飛節の内側に見つかった。 関節鏡を入れてみようと思っていたのだが、関節液の増量はまったくない。 飛節の内側は固く腫れている。 手術室で毛を刈ってから超音波で観てみると・・・・ 脛骨内果の遠位に大きな骨片。 関節腔内ではない。 ほかにも脛骨の関節包付着部あたりに骨片が見えた。 右下は距骨内側滑車。...
View Article後肢を吊り上げることのリスク
仔馬が生まれ始めているようだ。 血液検査で、IgGほかを測るベビーチェックがきはじめている。 そろそろ難産の季節でもある。 筋トレを始めた方が良さそうだ。 - 馬の重度の難産では、全身麻酔して後肢を吊り上げる方法で失位整復して娩出させることが多い。 われわれは、平成6年に北海道産業動物獣医学会でこの方法を発表して、賞をもらった。...
View Article平衡感覚は左右健常であることが必要なのか?
明けて2歳になった育成馬。 頭をかしげるようになった、とのこと。 右の耳が下がっている。 左眼を覆うと傾きはひどくなるように見えた。 平衡感覚の障害を視覚で補正しているのだ。 この育成馬は、ごくわずかに右鼻が下がっているように見えた。右瞼の動きは悪くない。舌の動きは正常。 側頭骨舌骨関節症だとは確信は持てない。 -...
View Article外傷と開腹手術の夜
土曜日、仕事を終えようとしていた5時近くに、外傷の診療依頼。 やってきた明け1歳馬は、胸前から牧柵が刺さったようで、胸筋が切れて、傷の奥は触れないほど深かった。 X線撮影したが、異物らしきものは見えない。 木片はX線画像に写り難いので安心はできないが、そのまま縫合することにした。 立位で縫合できたが、時間がかかった。 -...
View Article限界集落株式会社
この本も空港の本屋で買った。 山奥で、稲作を主体にした農業では成り立たず、人口が減り、集落として持続していくことができなくなりつつある地区に、 たまたまやってきた企業コンサルの青年実業家が、 自分のハウツーを注ぎ込んだり、農業について学びながら、過疎化に悩む集落を再生させていく物語。 かなり軽いタッチで書かれていて、漫画風だ。 リアリティーより都合のよさが優先されている。...
View Article飛節での肢軸異常
飛節のOCDで手術に来た明け1歳馬。 立っている様子をみたら、右後肢が飛節で外反していた。 右後の蹄は内側ばかりが磨り減って内外不対称。 内が狭く、外が広い。 尾側から見ると、内側の蹄球が高くなった挙踵。 こうなると、慢性の跛行をしたり、蹄側裂につながったりする可能性もある。 - 内側ばかりが磨り減らないようにはしてやった方が良い。...
View Article重輓馬の上腕二頭筋腱断裂
帯広から戻ってきた重輓馬。 「11月から左肩が腫れて跛行するようになった。 だんだん腫れて固くなったが、最近は少しずつ腫れはひいて、軟らかさが出てきた。 跛行もかなり治まってきている。」 との稟告。 歩かせてみるとたしかに左前の跛行。 後も跛行している、と思ったら右後が落鉄していた。...
View ArticleDr.Richardsonの予言、そして・・・
7月、1歳馬が跛行する、ということでX線画像を見せられた。 近位趾節関節の骨片を摘出できないか、という相談だった。 ペンシルヴァニア大学New Bolton Center のRichardson教授に相談したら、 「骨片を取るなどというのは時間の無駄に終わるだろう。 すでに、骨関節炎の所見があり、関節面は粗造で薄くなっている。 いずれ関節固定をしなければいけなくなる。」 と言うコメントだった。...
View Articleでじゃぶな網嚢孔ヘルニア
昼、繁殖雌馬の疝痛の来院。 発症して2時間ほど。 血液はPCV35%、乳酸値1.3mmol/l。さほど悪くない。 まだ痛い。しかし、立っていられないほどではない。 超音波で診たら・・・・右で肝臓の脇にひどく肥厚した小腸が見えた。 繁殖雌馬、冬、サク癖する・・・・・・・また網嚢孔ヘルニアか? - 開腹したら案の定、網嚢孔ヘルニアだった。...
View ArticleGreat America
私は、32歳のときに1ヶ月の海外研修に出してもらった。 何年も中断していて、希望者なし。ということだったのだが、「希望と計画書を出せ」ということで、採用された。 あの経験がなければ私の馬医者人生は今とはちがったものだったと思う。 カリフォルニアDavis校の獣医教育病院で2週間。 フロリダ大学獣医教育病院で3週間。 USAの獣医臨床教育と二次診療の先端を見せてもらった。...
View Article側頭骨舌骨関節症の角舌骨摘出手術 6例目
当歳馬の9月から頭を右へ傾げる明け1歳馬。 9月に私も診察していて、前庭障害だと診断し、その後、ステロイド投与をやってみてもらった。 しかし、改善なし。 大学病院でMRIとCTもやってもらって、右の側頭骨舌骨関節が癒合していると診断された。 それが11月中旬。 そして手術することになった。 - 頭は右へ傾いているがひどくはない。...
View Article1歳馬の回盲部重積
午前中、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。 つづいて、ホルスタイン搾乳牛の第四胃右方変位。 昼から、疝痛で死んだ繁殖雌馬の剖検。 事情があって、解体までやって焼却炉に入れる。 たまにこういう作業はやった方が良い。 馬を丸ごと扱えるというのはこういうことだ。 真のホースマンやカウボーイはそうありたい。 本来、畜産とはそういうものだ。 生き物を扱うとはそういうことだ。...
View ArticlePIParthrodesis 8例目
当番ではなかった朝、相棒と入院厩舎をのぞきに行く。 昨夜は調子悪かった空腸盲腸吻合馬も、今朝は食欲もあり、回復傾向にあるようだ。 - 午前中は、脛骨外果骨折の骨片摘出手術。 疝痛馬の来院のために手術開始が遅れたが、手こずらずに済んだ。 -...
View Articlearthrodesis of PIP joint 8例目
記憶も記録も残しておかなければならない。 記憶の方はかなり頼りなくなってきているので・・・・ この乗馬は障害競技馬なのだろう。 昨年、当初は近位指節関節の変形性関節症はひどくなかったようだが、すっかり贅骨形成も進んでしまった。 これは皮膚切開してから撮ったX線画像。 関節を開けようとしたが、簡単には開かなかった。 関節背側半周の贅骨を骨ノミで割ったがそれでも開きにくかった。...
View Article側頭骨舌骨関節症の解剖学的理解
側頭骨舌骨関節症はどのような部分に起こるのか・・・ 画像はチクサン出版社カラーアトラス獣医解剖学より。 茎状舌骨は、側頭骨茎状突起と関節している。これは、馬や反芻獣の話。動物によって関節している部分は違うらしい。 側頭骨岩様部の中に、顔面神経管が通っている。 少し下から覗くように観るとこんな感じ。 腹側から観るとこうなる。...
View Article馬の浅趾屈腱脱位、黒毛子牛の陰睾、短角牛の直腸欠損
日曜日、前から頼まれていた競走馬の診察。 右後肢、飛節が伸展し(直飛)、球節が沈下している。 跛行もある。 競馬もまったくダメ。 飛節での浅趾屈腱脱位だ。外側への脱位。 それで飛節が伸びてしまい、さらに球節も沈下している。 この障害は、外科的に「この方法で治せる」というのがまだないようだ。 試してみたい方法はあるが、この馬はもう競走馬として高齢で、経過が長すぎるように思う。...
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