8日齢の子馬が跛行し、血液検査で感染像があった。
繋部分が腫れている、とのこと。
来院して、よく触ってみると蹄冠部分がブヨブヨ腫れている。
超音波検査で、蹄関節液が増量しているのが確認できた。
x線撮影では、骨折、骨髄炎などはなし。
仔馬の蹄関節は小さいので、まず20G注射針を刺して吸引した。
膿のような関節液が少量ぬけてきた。
その針に点滴管をつないで関節を膨らませた。
14G留置針を刺して、廃液しながら関節腔を洗浄した。
2回ほど、点滴管を付け替えて洗浄した。
洗浄を終えて、抗生物質を関節内に投与して終了。
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こういう関節炎は日本語では細菌性関節炎、と呼ぶことが多い。
英語圏では、septic arthritis ; 敗血症性関節炎、だ。
septic の語感はすこしずれているような気がする。
「敗血症」とは古典的には血流中で菌が増殖している状態を呼ぶ、ということだったのだが、
最近、敗血症の定義が変更されたらしい。
感染によるSIRS(全身性炎症反応症候群)を敗血症と呼ぶことになったらしい。
う~ん、すると敗血症はそのへんにありふれているのかもしれない。