繁殖雌馬が疝痛。
ひどくはないが、来院して超音波検査したら、右腹部で結腸動脈が見え、おまけにその周囲は浮腫状に腫れている。
結腸捻転だと確信できた。
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手術して再発防止のために結腸固定術colopexy も行ったのだが、疝痛が続いた。
6日後再来院し、超音波検査したら右腹部で結腸動脈が見えた。
今回は動脈周囲の浮腫はないが、走行している方向がさらにおかしい。(結腸動脈が見えるだけでもおかしいのだけど)
開腹したら、colopexyした部分より基部、つまり右側結腸が捻れたように変位していた。
colopexyした部分が骨盤曲に近すぎたかもしれない。
そのcolopexyを剥がし、
慎重に胸骨曲だと思われる部分を、再度colopexyした。
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開腹手術をする私たちにとって、結腸動脈の部位と走行、そして形状はとても大切な所見なのだ。
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これは、古典的な家畜解剖学の洋書に載っている馬の腸管の解剖図。
PETER POPESKO の ATLAS of TOPOGRAPHICAL ANAROMY OF THE DOMESTIC ANIMAL
模式図だが、正しく描かれていると思う。
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ずっと昔に出版された先の本の図に似ている。
しかし、血管が書き込まれていて、結腸動脈が描かれている面が間違っている。
実際に結腸動脈があるのはこの反対側なのだ。
だから、正常な馬の体表から超音波で観ても、結腸動脈は基本的に見えない。
この図には胃も描きこまれているがその描かれ方もよろしくないと思う。
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模式図だからといって、どうでも良いことではない。
馬の命がかかっているんだ。
俺達はそれで1年に何度も徹夜するんだ;笑
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この本の模式図は正しく描かれているぞ;笑