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Channel: 馬医者残日録
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盲腸便秘開腹の翌朝

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3日前から軽い疝痛をしていた繁殖雌馬を直腸検査したら便秘のようで、下剤をかけようとしたら胃液が逆流した、との連絡で来院。

右腹が膨満している。

超音波では、結腸の肥厚はない。

直腸検査で、盲腸がつまめないほど膨満している。

PCV44%、乳酸値1.8mmol/l。

便秘を想定しても、胃拡張があるなら経口電解質や下剤を投与することはできず、輸液だけで便秘が解消するとは思えない。

ひどい疝痛ではないが、「開腹した方が良いです」。

                            -

重度の盲腸便秘だった。

60cmくらい開腹したが、とても盲腸を創外へひっぱり出せない。

ガス抜きの針を刺しても固形の内容なので減圧できない。

盲腸はひどく膨満しているので、針穴から液が漏れてくる。

ビニルシートを縫い付けて、その一部を3cmほど切開し、太いシリコンチューブを差し込んで吸引した。

いくらか粥状の内容と液を抜くことができて、ようやっと盲腸を術創外へ出すことができた。

それで切開創を広げ、ホースを入れて内容を洗い出した。

腹腔を生理食塩液で洗浄して閉腹。

もう一頭疝痛馬が来て、全部終わったのは夜9時。

                           -

翌朝5時半。入院厩舎へ診察に行く。

体温39.3度。

蹄葉炎と裂蹄がある馬だが歩いてはいる。

採血して血液検査する。

それで輸液計画を立てるのだ。

PCV54%、白血球2,600/μl。

腹膜炎だ・・・・もちろん想定内だ。

急患でも、入院畜でも、すぐ血液検査できる意義は大きい。

診断にも、治療でも、予後判定にもだ。

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おいしょっ!

 


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