Quantcast
Channel: 馬医者残日録
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1690

実習生について思うこと そしてアドバイス たぶんその1

$
0
0

今日は、

早朝は結腸便秘の2歳の診察。

朝、2歳馬の肘腫の診察。手術はしないことになった。

当歳馬の臀部の蹴傷。

今週わたしは検査当番。

当歳馬の疝痛の依頼。

午後に予定していた6歳競走馬のTieback&cordectomyは予定どおりにやってしまうことにした。

手術予定がつまっていて、延期すると1週間以上先送りになってしまう。

Tiebackcorcectomyを1時間で終わらせて、当歳馬の開腹手術。

案の定、手遅れだった。

剖検したら、手遅れでなくても助けられない小腸根部捻転だった。

                 -

夏は実習生たちが来ている。

大学の単位になるので、評価書を書いてくれ、と持ってくる学生たちも居る。

(これは本当におかしいと思う。

大学は安からぬ授業料を学生から摂っている。

年間の授業料を1年50週で割ってみると良い。

学外実習に出して、単位を与えて、それを外部に負うなら、”金払え!”って言われる話だ。)

われわれの受け入れ元の北海道NOSAIにも、実習日誌に目を通してやってくれ、とか、

学生の評価表をつけてくれとか、

学生ひとりひとりへのアドバイスを書いてくれ、とか言われている。

                -

私は、学生たちにマニュアルを作って渡そうとは思わない。

最低限の注意をして、あとはひとりひとりとできるだけ話しながら、実習が何か役に立ってくれれば良いと思っている。

けっこう厳しいことも言う。

学生たちに好かれたいとは思わない。

実社会の厳しさ、臨床のたいへんさ、を体験して、それでも面白いと感じられるか、を考えてもらいたいと思っている。

                -

しかし、アドバイスするとしたら、どの学生にも共通のことがかなり多い。

・本を読め

あまりに誤字脱字が多い。基本的にな知識人としての教養が疑われる。パソコンばかりで文章作成していないで、自分の言葉で、手書きで漢字と文章を書けるようになれ。

そのために本を読め。アニメばかり見てないで。

・社会人としての最低限のマナーと態度を身につけろ

目上の人が運転する車に乗せてもらうときは、乗るべきは助手席だ。あんたはお客さまじゃない。

よそへ行って好かれるのは明るく元気で活発な来客だ。邪魔にならないようジッとしているだけでは実習にならない。

・日常生活の技術は診療技術と重なる

ほとんどの学生が掃除もできないし、ロープも結べないし、洗い物もできない。

こいつら普段の生活でどうしてるんだろうと思う。

そうか、今の日常生活ではロープを結んだりもしないし、掃除もしないし、洗い物もしないんだ。

勤勉でもなく、器用でもなく、機転も利かず、積極性もないヤツは診療でも役に立たない。

・集団行動するくせを捨てろ

学校では「みんなと同じように行動しなさい」と習うのかもしれない。しかし、社会に出たらちがう。

人があれをやるなら、自分はこれ。人があっちを受け持つなら、じぶんはこっち。

一人でできる用を複数でやろうとするな、邪魔になるだけだ。

・体を鍛えて使えるようにしておけ

今の日常では力任せに何かをする、などということはないのかもしれない。

しかし、すくなくとも大動物臨床では、体を上手に使わないとできないことが多い。

指先だけでは始まらない。

体格の問題もあるが、体の使い方もだいじ。

生まれて一度も風呂に入っていない患者さんを手術するんだ。優しくのんびりこすっていては消毒どころか洗浄にもならない。一生懸命ブラシでこするんだ。

われわれの何倍も体重がある患者さんを動かして診療するんだ。こっちも気合を入れて、力をあわせて全力を発揮しないとはかどらない。

大動物診療の何分の一かは肉体労働にかかっているんだよ。それができない人には無理だ。

                 -

日本の将来は明るくないとつくづく思う。

私たち世代の責任なんだろうな・・・・・

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1690

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>