今日は、
早朝は結腸便秘の2歳の診察。
朝、2歳馬の肘腫の診察。手術はしないことになった。
当歳馬の臀部の蹴傷。
今週わたしは検査当番。
当歳馬の疝痛の依頼。
午後に予定していた6歳競走馬のTieback&cordectomyは予定どおりにやってしまうことにした。
手術予定がつまっていて、延期すると1週間以上先送りになってしまう。
Tiebackcorcectomyを1時間で終わらせて、当歳馬の開腹手術。
案の定、手遅れだった。
剖検したら、手遅れでなくても助けられない小腸根部捻転だった。
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夏は実習生たちが来ている。
大学の単位になるので、評価書を書いてくれ、と持ってくる学生たちも居る。
(これは本当におかしいと思う。
大学は安からぬ授業料を学生から摂っている。
年間の授業料を1年50週で割ってみると良い。
学外実習に出して、単位を与えて、それを外部に負うなら、”金払え!”って言われる話だ。)
われわれの受け入れ元の北海道NOSAIにも、実習日誌に目を通してやってくれ、とか、
学生の評価表をつけてくれとか、
学生ひとりひとりへのアドバイスを書いてくれ、とか言われている。
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私は、学生たちにマニュアルを作って渡そうとは思わない。
最低限の注意をして、あとはひとりひとりとできるだけ話しながら、実習が何か役に立ってくれれば良いと思っている。
けっこう厳しいことも言う。
学生たちに好かれたいとは思わない。
実社会の厳しさ、臨床のたいへんさ、を体験して、それでも面白いと感じられるか、を考えてもらいたいと思っている。
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しかし、アドバイスするとしたら、どの学生にも共通のことがかなり多い。
・本を読め
あまりに誤字脱字が多い。基本的にな知識人としての教養が疑われる。パソコンばかりで文章作成していないで、自分の言葉で、手書きで漢字と文章を書けるようになれ。
そのために本を読め。アニメばかり見てないで。
・社会人としての最低限のマナーと態度を身につけろ
目上の人が運転する車に乗せてもらうときは、乗るべきは助手席だ。あんたはお客さまじゃない。
よそへ行って好かれるのは明るく元気で活発な来客だ。邪魔にならないようジッとしているだけでは実習にならない。
・日常生活の技術は診療技術と重なる
ほとんどの学生が掃除もできないし、ロープも結べないし、洗い物もできない。
こいつら普段の生活でどうしてるんだろうと思う。
そうか、今の日常生活ではロープを結んだりもしないし、掃除もしないし、洗い物もしないんだ。
勤勉でもなく、器用でもなく、機転も利かず、積極性もないヤツは診療でも役に立たない。
・集団行動するくせを捨てろ
学校では「みんなと同じように行動しなさい」と習うのかもしれない。しかし、社会に出たらちがう。
人があれをやるなら、自分はこれ。人があっちを受け持つなら、じぶんはこっち。
一人でできる用を複数でやろうとするな、邪魔になるだけだ。
・体を鍛えて使えるようにしておけ
今の日常では力任せに何かをする、などということはないのかもしれない。
しかし、すくなくとも大動物臨床では、体を上手に使わないとできないことが多い。
指先だけでは始まらない。
体格の問題もあるが、体の使い方もだいじ。
生まれて一度も風呂に入っていない患者さんを手術するんだ。優しくのんびりこすっていては消毒どころか洗浄にもならない。一生懸命ブラシでこするんだ。
われわれの何倍も体重がある患者さんを動かして診療するんだ。こっちも気合を入れて、力をあわせて全力を発揮しないとはかどらない。
大動物診療の何分の一かは肉体労働にかかっているんだよ。それができない人には無理だ。
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日本の将来は明るくないとつくづく思う。
私たち世代の責任なんだろうな・・・・・