当歳馬の上腕骨骨折2例
朝、連絡があって、上腕骨が折れているようだ。とのこと。 そのまま連れて来てもらう。 馬運車の中で倒れているのをそのまま立たせずに馬運車内でX線撮影した。 上腕骨骨幹部中央での長斜骨折だ。 馬主さんが居る馬だそうだ。 手術を勧めるべきかどうか考えたが・・・ よく観ると、近位部の尾側にかなり大きな破片 fragment がある。 あきらめた。 解剖場で手術を想定しながら剖検した。...
View Article子牛の肋骨骨折による慢性鼓張
朝、1歳馬の腕節骨折の関節鏡手術。 昼、血液検査業務。 1時から3歳競走馬の寛跛行。 2時から3歳競走馬の反回神経症つまり喉頭片麻痺のTieback&Cordectomy。 - 夕方、慢性鼓張の3ヶ月齢の子牛が剖検に運ばれてきた。 ポンポコリンの第一胃。 胃カテーテルも入らなかったそうだ。 右の第1・2・3肋骨に折れた痕があった。...
View ArticleTHO 16頭目
この繁殖雌馬は、2週間前、突然発汗、興奮、眼球振とう、運動失調を示して来院した。 歩行困難で転倒し、飼い主さんも足を踏まれて骨折してしまった。 神経症状は徐々に落ち着き、一度は検査のために来院し、X線検査で側頭骨舌骨関節が肥大し、 喉嚢内視鏡検査で、左右の側頭骨舌骨関節が腫大しているのが確認された。 - 右耳は垂れ下がっている。 右へ頭をかしげている。...
View Article腱断裂
きょうは、飛節OCDの関節鏡手術。 そのあと、急患で繋の外傷。 球節は沈下するし、蹄尖は浮いている。 これは浅屈腱が切れているし、深屈腱も切れている。 縫合することはできるかもしれないが、それぞれを癒着させずに癒合させるのは難しい。 その馬を全身麻酔して縫合するあいだに、私は腰痿のX線撮影と、1ヶ月前に蹄球をひどく怪我した馬のキャスト除去。 午後は、当歳馬の第二中手骨骨折のプレート除去。...
View Articleバナミンペーストの功罪
金曜日、2日続きのTieback&cordectomy。 昼、外傷縫合。 午後、2歳競走馬の腕節骨折の関節鏡手術。 夕方、繁殖雌馬の疝痛の来院。 あちこちぶつけ、ひどい顔をして馬運車から降りてきた。 PCV58%、乳酸値4.0mmol/l。 鎮静剤投与しても寝そうになる。 「ダメかもしれないけど手術してみますか?」...
View Articleサラブレッドが変なんだよ
セリが近くなって診療はすこし余裕が出てきた。 土曜日は、非サラブレッドの跛行診断4頭。 鎮静剤も投与せず、鼻捻子もとらず、後肢のX線撮影をすることができた。 飼い主さん、自分で削蹄。 実習生に馬の肢を挙げさせるのも、心配せずに済む。 本来、馬は牛以上に人になつき、人の指示に従う動物だ。 人を背に乗せたり、人と一緒に田畑を耕したり、山へ入って木材を引張り降ろす家畜として改良されてきた。...
View Article狙い定めて 第一趾骨近位関節面のSCL
3ヶ月も後肢の跛行が続いている1歳馬。 球節のFlex testが陽性なので、球節をXrayしたら第一趾骨近位関節面内側にSCLが見つかった。 Subchondral Cystic Lesion (内側皮質に骨膜反応があることも確認しておきたい。DJD変形性関節症が始まっているのか、SCLへの特異的なコツ反応なのかわからない。) 周囲は硬化像があるが、シストは鮮明ではない。...
View Article狙い定めて 大腿骨内顆SCL
午後は、1歳馬の大腿骨内顆のSCLだった。 歩様検査したら”硬い”。 患肢を内側にして旋回させると、短縮するステップがある。 透視装置がうまく使えない。 DRで撮りながらドリリングする位置と方向を決める。 2.5mmドリルであけてみるが・・・・・よろしくない。 今度はどうだ。 どんぴしゃ?? シストを貫通し、スクリュー先を海綿骨にかませて、しかし関節面に貫かないように、というのはとても難しい。...
View Article当歳馬の尺骨骨折のDCP固定
当歳馬が尺骨骨折した。 骨折線が開いていないので様子を観ていたが、2回目のX線撮影をしたら開いてきた。 診療の予定がつまっているので、夕方に手術することにして来院してもらった。 発症して1週間になるというのに、子馬は左前肢をまったく着けない。前に出せない。 橈骨神経麻痺もあるのか?と疑ったが、手術してみないとわからない。 - 一番近位に皮質骨スクリューを入れて、...
View ArticleSHCカンファレンス2018
木曜日はSHCカンファレンスだった。 20題ほどの症例報告があり、100人以上の馬獣医師が集まった。 馬臨床そのものの発表ばかりなので、とても興味深い演題ばかりだった。 私も2題、発表させてもらった。 - Tag先生はランチョンセミナーとして、全身麻酔した手術を受けたあとにG1を獲った馬26頭を紹介しておられた。...
View Article当歳馬の頚椎損傷
7月に頚椎を傷めたようで、元気がなく、痩せて、頚の筋肉がすっかり落ちて、 環椎(第一頚椎)翼が異常に目立つようになった当歳馬。 最初は大丈夫だったが、8月に入って腰フラ様症状も出てきた、とのこと。 X線撮影したら、環椎と軸椎(第二頚椎)の関節と位置関係が変だ。 私たちは年に50頭ほどの頚椎症による腰痿のX線撮影をするが、 後頭骨と環椎あたりは撮影範囲に入れていない。...
View Article実習生について思うこと そしてアドバイス たぶんその1
今日は、 早朝は結腸便秘の2歳の診察。 朝、2歳馬の肘腫の診察。手術はしないことになった。 当歳馬の臀部の蹴傷。 今週わたしは検査当番。 当歳馬の疝痛の依頼。 午後に予定していた6歳競走馬のTieback&cordectomyは予定どおりにやってしまうことにした。 手術予定がつまっていて、延期すると1週間以上先送りになってしまう。...
View Article業務連絡
たいへんな地震でした。 さいわいこの地区は断水はせず、停電と電話が使えないこと。 ガソリンが入手できないこと、が主な不便でした。 - 家畜高度医療センターは、9/7午後に停電が終わり、ホッとしました。 9/8は通常業務できそうです。 9/6・7の2日間に延期してもらった診療も順次予定を組みなおして行います。 検体回収と血液・細菌検査業務も再開します。...
View Articleあの朝、そして2日間
早朝、ただならぬ揺れと、エリアメールのアラームで目が覚めた。 家が激しく揺れて、きしんでいるのを感じる。 建てた建設会社の社長の顔が浮かんだ;笑 家人が部屋をのぞいて「お父さんまだ寝てる」と言うが、飛び起きても危ないだけだ。 しばらくテレビの緊急速報を観ていたが、そのうち停電した。 電池式の「懐中電灯」(これは新しい呼び名が必要だね)があって助かった。 -...
View Article1歳馬の腓腹筋断裂
日曜日、 40日齢黒毛子牛の臍の膿瘍。 牡子牛で、種牛候補なのだそうだ。 超音波で観ると、「膿瘍はひょうたん型で腹腔内にも広がっていたが、膀胱へはつながっていない」、ということで、 切開することになった。 雄牛はペニスの先が臍に近いので、臍が化膿するとやっかいだ。 --- つづいて1歳馬の剖検。...
View Article眼瞼、耳周囲、頬、などのEquine Sarcoid
きのうは、 6ヶ月前に中足骨骨折をLCP固定した当歳馬のプレート除去。 黒毛和種子牛の肋骨骨折による気管狭窄の診断。後日手術する。 午後は、 1歳馬の大腿骨軟骨下嚢胞状病変 Subchondral Cystic Lesione のX線診断。後日手術する。 5歳競走馬の腕節の変形性関節症 Degenerative Joint Disease の関節鏡手術。 やれやれ、診療は忙しさが続いている。...
View Article1.5ヶ月齢の黒毛和種子牛の気管狭窄
1.5カ月齢の黒毛和種子牛。 呼吸が苦しい。 お産は・・・・「逆子(尾位)だった」。 キシラジンを投与して、横臥にしてX線撮影。 あ~やっぱり肋骨骨折による気管狭窄だ。 胸腔の入り口で気管が狭くなっている。 第一肋骨が逆「く」の字型に曲がって、中央部は太くなっている。 しかし、右か左かわからない。 裏返して撮影してみる。...
View Article大腿骨SCLの関節鏡デブリドの1年後のスクリュー固定
1歳の秋に大腿骨SCL Subchondral Cystic Lesion を関節鏡でデブリドした育成馬。 それから半年以上休養して、調教を始めたらキャンターで患肢がついてこない。 X線撮影しなおしたら・・・ SCLの透過性はいくらか落ちている。が、埋まっているとは言えない。 開口部も狭くなっておらず、関節面の陥凹もある。 尾頭方向でも、同様。 SCLは深く、大きく、開口部も広い。...
View Article第三中手骨遠位のSCL PRP療法はじめました
第三中手骨の遠位関節面に軟骨下嚢胞性病変 Subchondral Cystic Lesion が見つかった2歳馬。 関節内のブロックで跛行が消えたそうだ。 屈曲させて、外内方向でX線撮影した。 透過性が亢進した部分が病変だ。 この位置なら、屈曲させておけば関節鏡手術で開口部からデブリドできる。 -...
View Article北海道産業動物獣医学会2018
北海道産業動物獣医学会だった。 その前日はプロダクションメディスン研究会だった。 3日間、座りっぱなしは体に悪い。 大勢の人に会って、刺激を大量にもらうので夜は眠れない。 安っぽいビジネスホテルだったが、部屋に馬の絵が飾られていたので気に入った;笑 - さて、あまりに多くの情報や刺激や知識を受けた3日間だったが・・・・・・...
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