金曜の午後に積もった重い雪は、除雪しきれないまま日が暮れた。
路面状況が悪く、跛行診断はできそうにないので、延期してもらった。
ところが、朝から外傷の急患の依頼。
もう蹄鉄を履いている1歳馬。
立ち上がって、前肢がフェンスの扉にひっかかったのだそうだ。
両前肢に怪我をしていた。
鎮静剤投与して、神経ブロックして、縫合した。
癒合させるためにはキャストして動かないようにしたいところだが、
路面状況が悪くて、キャストをして歩くのは危ないのでキャストするのはあきらめた。
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もう1頭両前肢の外傷の連絡。
これは肢の内側と外側。
牧柵に肢を挟んで抜けなかったらしい。
屈腱や血管が切れていたらもっと悲惨なことになったかもしれないが、
時間はかかるだろうが、治るだろうと判断した。
とても縫える傷ではない。
洗って、ぶら下がっている皮膚は切り取って、包帯して治療を続けてもらう。
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さらにもう1頭。
こちらはウォーキングマシーンで怪我したらしい。
蹄側壁から、蹄冠部を通って、蹄球へと裂けている。
依頼の電話で聞いた状態では、ワイヤー縫合しようかと考えていたが、
裂蹄部は浮いてしまっているし、前日の怪我で、とても癒合しそうにない。
取ってしまうしかない。
鎮静と神経ブロックで、剪鉗で蹄を切り取った。
裂蹄した奥の方にも砂が入り込んでいた。
蹄底の血管からの出血は鉗圧と焼烙で止血した。
ガーゼを当てて、綿包帯を当てて、伸縮性包帯で巻いて、さらにダクトテープで補強した。
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雪が降ると、
イヌは喜び 庭駆け回り
ネコはコタツで丸くなる
というけど、
馬ははしゃいで怪我をするのかもしれない。