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Channel: 馬医者残日録
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EE、RLN、Colic

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出張続きで、しばらく手術していなかった。

診療がしたい。

私はやはり臨床が好きだ。

と、思い直せるのは出張がつづいたおかげ;笑

                -

復帰明けは、1歳馬のEE 喉頭蓋捕捉。

まだ充分には馴致できていない1歳馬だし、鼻や喉も狭いので、EEカッターではなくlaserで切開することにした。

喉頭蓋にやけどをさせないように、手製の鈍なフックで喉頭蓋を覆っている喉頭蓋下粘膜をlaser切開した。

披裂喉頭蓋ヒダも切開を加えておく。

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つづいて、

4歳現役競走馬の喉頭片麻痺のTieback&Cordectomy。

近年は「喉頭片麻痺」ではなく、反回神経喉頭枝神経症?RLNと呼ぶことが提唱されている。

安静時の内視鏡検査では、GradeはⅡbかⅢaだった。

超音波検査では、かなりな左輪状披裂筋の変性と萎縮が評価された。

しかし、手術が絶対に必要か決断できなかったので、OGE(騎乗中喉頭内視鏡検査)をやってもらった。

結果、見事な左披裂軟骨と声帯の虚脱が確認された。

で、

喉頭形成手術と声帯切除手術をすることになった。

                -

夜、起こされた。

2歳馬の疝痛とのこと。

来院しても立っていられないほど痛い。

開腹したら空腸が捻転していた。

腸間膜を軸に捻れて、ひどい胃拡張を起こすほど閉塞していたが、空腸はまだ壊死していなかった。

胃はパンパン。

おそらく固形物が多くて、胃カテーテルを入れてもほとんど減圧できなかっただろう。

手術中に逆流していた胃液は赤味をおびていた。

覚醒室でも、入院厩舎へ行ってからも、ゲップし続けていた。

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その朝、助けられなかった患者さん。

窓に激突し、即死だった。

コゲラだね。

朝の惨劇だった。

 

 


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