第一趾骨の近位背側亀裂骨折のscrew固定
もう仕上がっている2歳馬が、強い調教のあとに跛行し、後肢球節に症状を示した。 その時はX線撮影で異常を認めなかったが、1ヵ月後に再度X線撮影したら第一趾骨近位背側内よりに亀裂骨折が見つかった。 摘出してしまうには大きすぎる。 細いscrewで固定するのが良いだろう、と判断した。 よくchip fractureが起きる部分だ。 放置すればなかなか骨癒合せず、また割れる可能性がある。...
View Article往診で蹄葉炎の深屈腱切断
産褥性蹄葉炎から慢性蹄葉炎になってしまった15歳の繁殖雌馬。 歩けないほど痛いわけではないが、もう子馬は大きくて抑えておくのはたいへんだし、 船底型のプラスチックシューを着けているが、外すのは装蹄師さんが居た方が良いし、 と、ベテランの先生に丸め込まれて、往診して手術することになった。 まあ、セリ期間中で、診療はそれほど混まないから大丈夫でしょう。 -...
View Article育成馬の便秘
2歳馬が疝痛を起こして火曜日の夕方運ばれてきた。 前日夕方にも疝痛を示した、とのこと。 痩せている。食べるが太れない、筋肉もつかない。ときどき疝痛を起こす、とのこと。 火曜は食べさせないで様子を観ていたそうだが、超音波検査では小腸に内容があった。 胃カテーテルを入れたら、2リッターほど胃液の逆流があった。 左右の腹部にガスがあり、盲腸と大結腸が張っているのが超音波でわかった。...
View Article北里大学での講義 獣医衛生学 馬の管理衛生
北里大学へ講義に行ってきた。 講義棟が新しくきれいに、そしておしゃれになっていて驚いた。 4年生対象の獣医衛生学の一コマ。 獣医衛生学とは、家畜の飼い方や管理方法で防げる病気にはどのようなものがあり、どうすれば良いかを学ぶのだが・・・ 私はサラブレッド生産地では、馬がどんな診療を受けていて、どんな病気で死んでいて、それを防ぐにはどうすれば良いか、について話した。...
View Article出張続きで
月曜・火曜と苫小牧で所長会議。 ホテルで眠れず疲れる。 水曜は雲海を越えて、 十勝へ。 毎年頼まれている馬の疾病対策の講習。 広大な牧場の入り口でノウサギが歓迎してくれた・・・・・3時間かけて走ってきたんだからね。 今年の参加者は22名。全部NOSAIの獣医さんだった。 ほとんどが今年の新規採用者。 うちの会社の新人さんも5名居て驚いた;笑 -...
View ArticleEE、RLN、Colic
出張続きで、しばらく手術していなかった。 診療がしたい。 私はやはり臨床が好きだ。 と、思い直せるのは出張がつづいたおかげ;笑 - 復帰明けは、1歳馬のEE 喉頭蓋捕捉。 まだ充分には馴致できていない1歳馬だし、鼻や喉も狭いので、EEカッターではなくlaserで切開することにした。...
View Article胸下の血腫切開後の結合織切除
梅雨がないと言われる北海道だが、本州が梅雨明けする頃にぐずついた天気が続くことがある。 このところ、気持ちよく晴れることがない。 おまけに、蒸し暑い。 と言っても、この辺りは30℃にはならないのだが。 ー 入院厩舎の中もジトジト。 水を撒いたわけでもないのに、廊下は濡れ、敷き藁もベチャベチャ。 小腸捻転だった2歳馬クン。 ー...
View Article非腫瘍性石灰沈着
1歳馬の大腿部外側。 触ると、はっきりと板状の硬いものに触れる。 一次は”鶏足”のような跛行をしていたそうだ。 おそらく、筋膜か筋繊維の損傷があって、その部分に石灰沈着が起きたのだ。 切開して摘出することになった。 触った感触で思うほど簡単ではない。 どうも大腿部が損傷を受けると石灰沈着することがあるように思う。 再発しないことを願う。...
View Article1歳馬の網嚢孔ヘルニア
夜、9時過ぎに呼ばれた。 1歳馬の疝痛、とのこと。 例によって、もう麻酔が始まるところで、術野の準備と手術器具の用意を併行してやって、すぐに開腹する。 小腸の閉塞で、腹囲の膨満が強い。 そして、その馬は腹膜下脂肪が驚くほど厚かった。 腹腔内で回腸を探り当てることができたので、回腸から小腸を引っ張り出す。 空腸がどこかへ入り込んでいる感覚があったが、苦労しないで引き出せた。...
View Article夏期実習生の皆さんへ
今日も暑い。 が、晴れて、風があるので少しは好い。 曇っていて蒸し暑いのは耐えがたい。 ー 夏の実習生が来る季節になってきた。 JR日高線は走っていません。(もともと「電車」じゃないし;笑) 代行バスが運行されていますが、国道を離れてJRの駅へ入っていくのでひどく遅いです。 千歳空港か札幌から浦河行きのバスが出ているので、それに乗って来るのが良いと思います。...
View Article午後に腸管手術を2頭
近頃、早朝に教科書の原稿を書いている。 締め切りは半年前からわかっちゃいたが、春にはとても執筆作業なんてできない。 数日のうちにカンファレンスと学会のスライド提出の締め切りもある。 - 午前中、種雄馬の下顎のコブとり。 立ち上がると危ないので外でやったが、大人しい種馬だった。 -...
View Article蹄葉炎の深屈腱切断術と蹄処置
6月から両前肢が蹄葉炎になってしまった繁殖雌馬。 妊娠している。 今日は、先にデ・ローテーションさせた接着装蹄をしてから深屈腱を切ることになった。 手術を先にして蹄が濡れると、接着装蹄ができなくなるから。 しかし、わずかな時間とはいえ、深屈腱がつながっている状態でデ・ローテーションさせるので、良いアイデアかどうかわからない。 左前は装蹄が終わって、深屈腱を切ったところ。...
View Articlebrand-new arthroscope !!
7月から関節鏡手術セットは新品になっている。 25年ブラウン管モニターで手術してきた。 液晶は薄くて軽くても、画質自体は優位性はないと思ってきたから。 しかし、有機ELモニターは驚くほど鮮明。 そして、カメラ自体の性能が上がっているので、今までのカメラでモニターだけ替えても鮮明ではなかった。 で、 Brand-New!! -...
View Articlefalse colic 腹壁血腫
きのうからサマーセール。 セリ期間中は、診療は暇。なはずだったのだが・・・・・ 朝、繁殖雌馬の疝痛の依頼。 どうやら予定の関節鏡手術より遅れて来院するようなので、関節鏡手術を先に終わらせることにする。 4歳競走馬の腕節骨折の関節鏡手術は順調に終わった。 その間、疝痛の繁殖雌馬は落ち着いてはいるが、まだ痛みがあるらしい。 右膁部でおかしな超音波像が観えた、とのこと。 関節鏡手術に続いて私が執刀する。...
View Article危険なデベソ
きのうは午前中、競走馬の中手骨外顆骨折のscrew固定を予定していた。 が、朝、1歳馬が臍が腫れて疝痛をしている、との依頼。 腫れた臍の中には分厚くなった腸管が見える、とのこと。 夜間放牧されていて、夜中から痛かったらしく、顔を擦りむいている。 これは後回しにはできない。 臍で締め付けられた腸管が破れたら、救えない腹膜炎を起こす。 腫れた臍。 皮下織もひどく厚くなっている。...
View Article蹄骨伸筋突起骨折
2歳馬が蹄骨の伸筋突起を骨折した。 すでに競走していて勝ってもいる。 伸筋突起の骨折は小さければ関節鏡で摘出することもあるが、これは大きすぎる。 放置すると蹄関節がDJD変形性関節症を起こす。 翌日手術することにした。 いつもは紐を蹄や繋に巻いて、肢をぶら下げて球節や腕節の手術をしている。 しかし、蹄冠部を手術するため、蹄や繋に紐を巻くわけにはいかない。...
View Article新生子牛の股関節脱臼
土曜日、午前中は競走馬の腕節の関節鏡手術。 以前に同じ関節の関節鏡手術を受けている。 新たにまた骨折したのではなく、DJD変形性関節症が進行したようだ。 - 昼は血液検査業務。 と思っていたら、生まれたばかりの黒毛和種子牛が股関節脱臼し、一度は整復できたものの、起立させたらまたはずれ、 今度は整復できない、とのこと。 来院したら、腰角のすぐ尾側がぼっこり膨らんでいる。...
View Article北海道産業動物獣医学会2019から戻ってみれば・・・・・
今年の北海道獣医師大会&産業動物獣医学会は北見工業大学のキャンパスを借りて行われた。 オホーツクの先生方をはじめ開催の労をとられた先生たちのご努力のおかげで、ローカル色のある楽しい学会だった。 3泊と長かったこともあって、職場の仲間と懇親を深めることもでき、その点でもたいへん有意義だった。...
View Article北海道産業動物獣医学会から戻って part2
学会から戻った翌日は日曜日。 午前中、飛節OCDの関節鏡手術。 午後、外傷後の肉芽の診察。 入院厩舎にPOI術後イレウスの繁殖雌馬が入院していた。 - 手術は観ていないが、かなり厳しい状態だったらしい。 翌早朝、状態が悪いので呼ばれた。 胃液の逆流があり、フルニキシンに反応せず、鎮痛剤も効かない。 あきらめた。 そのまま剖検したが、ひどかった。...
View Article3ヶ月子牛の中手骨成長板損傷S-H2
北海道獣医師会から戻ってきたその日、3ヶ月齢の黒毛和種子牛が球節を脱臼しているようだ、との電話依頼。 忙しい日で、出張から戻ってきた私が電話に出たのだった。 綿包帯を巻いて、添え木(副木)を肘から肢先まで当てて、しっかりしたテープでグルグル巻きにして連れて来るように指示した。 添え木の先は蹄尖よりも先へ出しておくと好い。 -...
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