16歳の繁殖雌馬が第一趾骨を骨折し、準緊急手術することになった。
もう8日経っている。
もともと対側肢が慢性フレグモーネがある馬で、肢が腫れて痛くなってもフレグモーネだと思われてしまったらしい。
キャストを巻いて、翌日来院したが・・・
それでも痛みは減ってきているのだろう。
見事な前後割れ(背底割れ)。
第一趾骨全長におよんでいる。
遠位と近位の関節面をつなぐ骨体がない第一趾骨(指骨)骨折はスクリュー固定の対象にはならない。
頭に貫通ピンキャストをやらなければならないことも浮かんでいたが、これならなんとかスクリュー固定とキャストで対応出来そうだ。
第一趾骨(指骨)の骨折はきれいな骨折線で割れているとは限らない。
ある箇所から斜めに割れたり、X線画像に写らない亀裂が走っていたりする。
で、こういうスクリュー固定の仕方にした。
第一趾骨(指骨)の中央のくびれた部分には2cm以内の間隔ではスクリューを入れない方が良いとされている。
ボッキリ折れてしまうことがあるのだそうだ。
近位の外側のスクリューはなめたので5.5mm皮質骨スクリューに差し替えてある。
1週間以上経っているわりには骨折線を圧迫できた。
麻酔覚醒起立には吊起帯を使った。
後肢にキャストをした馬であること。
15歳を超えていること。
慢性フレグモーネで運動量が少ない馬であったこと。
気性が悪く、興奮しやすい馬であること。
と、4つリスク要因を抱えた馬であった。
懸念通りに、起立の様子は良いものではなく、
立ち上がってから尻っぱねしようとした。
いい歳して、まったく!!
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放っておいても朽ちるだけだ。
玉切りして運び出す。
1つ20kg近くあるかな?
心肺能力と、腰と、脚力のトレーニングになる。
体を鍛えておけよ。
プロの仕事は毎日きついくらい続くんだ。