8ヶ月齢の当歳馬を収牧したら馬房で大きな音がして、肢を着けなくなっていた、そうだ。
3日経ってかなり歩けるようになったが、歩き始めは重度の跛行。
普通の尺骨骨折以上に腫れている。
成長板損傷であり、粉砕もしているので出血が多かったのだろう。
手術の前夜にDr.Richardsonにメールを送ってコメントをもらっていた。
「尺骨頭の骨折がひどく難しいわけではないが、”この”症例は最も難しい。」
手術台で仰臥にして患部を切開したら、尺骨頭は斜めに割れて、内外にもずれ、骨片もある。
整復はうまく行き、骨鉗子も有効に働いた。折れ方が斜めに割れていたからだろう。
しっかり曲げた11孔narrowLCPを当ててみるが、これでは近位側に寄りすぎている。
このくらいの位置が良いところか?
近位から2番目の4.5mmcortical screwを入れ、遠位から4番目に4.5mmcortical screwをload positionに入れてcompressionをかけた。
一番遠位にもcortical screwを入れて、他はLHSを入れた。
外側には、Dr.Richardsonのアドバイスを生かして4 hole narrow LCPを当てた。
(この辺りの骨膜は靭帯と一緒になっていて、あまりに分厚いので、その下にLCPを入れた。
が、本当はこの厚い骨膜の上にLCPを置くべきだった、とRichardson教授から指摘された。)
一度立ち上がってまた倒れた。
二度目はしっかり立ったし、歩いて帰って行った。
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術者二人は休みを返上してこの準緊急手術を執刀した。
馬運車のバッテリーがあがったとのことで、手術は1時間遅れで始まった。
片付けして、記録をつけて、Richardson教授に報告とお礼のメールを送って、etc. 2時を過ぎてしまった。
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きのう開腹手術した馬が術後、軽度のPOI。
リドカインのbolus投与と点滴で良くなった。
確認のために胃カテーテル挿入。
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午前中は、
当歳馬の跛行診断。
かなり痛いが大腿骨Subchondral Cystic Lesion だった。
立位、超音波画像下でトリアムシノロン病巣内注入した。
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続いて、すでにX線診断されている当歳馬の大腿骨滑車のOsteochondrosis 。
超音波画像下でヒアルロン酸の関節内注入をしようかと考えていたが、
X線所見異常に超音波所見が悪かったので、関節鏡手術することにした。
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昼、きのうから疝痛の1歳馬の来院。
結腸左背側変位を整復しているところ。