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Channel: 馬医者残日録
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慢性「砂のぼり」?

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競走馬時代から後肢の蹄内感染を繰り返している馬。

繁殖になったが最近また蹄が痛く、蹄冠部に自潰した。とのこと。

x線画像では蹄骨に丸い陥凹部ができている。

柱状の角壁腫も疑われる所見と経過だ。

                    -

全身麻酔して「掘る」ことにする。

剪鉗で切ると、かなり大きな感染創が出てきた。

もっと切って削るが、異常な塊状の組織はなく、蹄骨の陥凹部まで空洞になっている。

角壁腫ではなく、慢性の感染で圧迫されるのと骨吸収で陥凹したようだ。

しかし、感染部は蹄冠へ向けて続いている。

削ってしまわなければなるまい。

                     -

装蹄師さんが帯同してきていたので装蹄師用のリングキュレットで削ってもらう。

水平方向にできた裂蹄部まで削ってもらった。

溝状部にFRパスタを塗ったガーゼを詰める。

蹄が割れてしまわないようにワイヤーで締結してもらった。

あとはホスピタルプレートを付けた蹄鉄を接着装蹄した。

蹄冠部から蹄が伸びて蹄底に到るまで数ヶ月かかるが、今度こそ完治してもらいたい。

                     ///////////////

あの月を

獲ってくれろと

泣く子かな

 

 


できるだけ早く、1日でも早く

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きのうは、朝、1歳馬の外傷。

もう乗っている馬で、馬房内で後肢をひっかけたとのこと。

続いて、予定の競走馬の関節鏡手術。

そのあと1歳馬の腰痿の頚椎X線撮影。

午後は、慢性の蹄跛行の蹄手術に、

4ヶ月前の外傷からの瘻管形成した1歳馬。

瘻管を切除した奥から木片が出てきた。

                       -

今日は、2歳競走馬の腕節のchip fracture の関節鏡手術。

反対肢の腕節にも骨片を見つけたのでそちらも手術した。

血液検査業務のあと、

1歳馬の第4中足骨骨折の骨体摘出手術。

もう引渡しと、馴致・調教開始が迫っているので少しでも早く治したい気持ちはわかる。

が、開放骨折だ。摘出手術した上で傷が治まるまでは安静にするしかない。

                      -

1年以上、蹄内の感染を繰り返している馬。

4ヶ月以上、外傷が治りきらない馬。

先月から骨折していて、反対肢も折れているとは知られていない馬。

骨折して、傷から感染して、皮下で肉芽増勢している馬。

それでも、手術するとなったら早くして欲しい気持ちはわかる。

で、土曜日の収穫。

やれやれ。

                    //////////////

日暮れが早くなったね~

 

 

子宮「平滑筋」腫

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先日の子宮「?」腫の病理組織検査の結果が帰ってきた。

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子宮平滑筋腫 leimomyoma of uterus

提出組織は腫瘍組織を認める子宮組織です。 (取り違えとかはない;笑)

子宮内膜下に平滑筋細胞由来の腫瘍組織を認めます。 (粘膜;子宮の場合は「内膜」と呼びます。の下の腫瘍で間違いない)

紡錘形の腫瘍細胞束が交差する所見を認めます。 (自潰するような腫瘍ではない)

腫瘍細胞は比較的均一な楕円形の核を有します。 (性質の悪い腫瘍ではなさそうだ)

腫瘍細胞の核分裂像は不明瞭です。 (極端に増殖が速い腫瘍ではない)

子宮内膜に細管構造を認めます。 (表面には内膜をかぶっていて、内膜の機能も残っていたのか?)

子宮内膜間質にリンパ球主体の炎症細胞浸潤を認めます。 (ふむふむ、炎症も起こしてたのね)

子宮組織に化膿性炎症所見ならびに悪性増殖所見を認めません。 (でも炎症はひどくないし、子宮腺癌の可能性もない)

 

注)子宮内膜下に平滑筋由来の良性腫瘍を認めます。子宮部~膣部の平滑筋腫の発生は性腺ホルモンの影響を受けると考えられており、局所コントロールには切除が有効ですが、多発性(多中心性)に発生する可能性が心配されます。

(予後は悪くないだろうけど、また出てくるかも)

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( )内は病理を真剣に勉強したことがない馬臨床家の印象です。

                           -

手術して組織を取り出すと、必要を感じたら病理組織検査へ出すようにしている。

その組織がどういう性質のものか知っておくことは、

・今後の治療方針を立てるのに役立ち、

・予後判定につながることもあり、

・また同じような症例に遭遇した場合の参考にもなる。

・記録を残したり、さらには症例報告しておけば、他の獣医師への情報提供にもなる。

                        -

ホルマリンに漬け、漏れないように梱包し、宛名書きして、臨床所見を書き、病理組織検査してくれるところへ発送する。

「生体組織学的検査」ということで家畜共済の保険点数が設定されているが、その点数で検査してくれる検査機関はない。

おまけに送料や資材費もかかるので、やればやるほど診療所の持ち出しになる。

まして、すでに死亡した患畜の病理組織検査だと保険給付されないので、丸っきり診療所の経費的負担になる。

それでも、きちんと必要な症例を判断して病理組織学的診断をしていかなければいけないと思っている。

その馬のためにも、今後のためにも。

                        ////////////////

秋晴れの好天が続いている。

赤茶色の紅葉はすっかり里にも降りてきた。

ぼちぼち山では雪も降るだろう。

タイヤ交換もしなきゃ。

晩秋の一日

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午前中、2歳馬の腕節剥離骨折の関節鏡手術。

昼、ロドコッカス・エクイ感染によると思われるひどく痩せてしまった子馬の安楽殺と剖検。

肺にも肝臓にも腸間膜にも膿瘍があった。

そのあとも飛び込みで、1歳馬の胸前の外傷。

2時に予定していたTieback&cordectomyは3時にずらしてもらった。

まあ、内視鏡検査して、超音波で背側披裂輪状筋の萎縮を確認して、手術して、覚醒起立後に内視鏡で出来上がりを確認して、2時間ほどで終わる。

                          //////////////

とうちゃん、あかるいうちに帰ってきたら、ボールであそんでやるゾ

 

 

外傷・外傷・腰痿・去勢・肩跛行・帝王切開

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今日は、吸入麻酔をかける手術は予定していなかったので、少しのんびりした日になるかと思っていた。

12月の麻酔外科学会での講演の用意も進めなければいけないし、

1月締め切りの「家畜診療」誌の原稿も書かなければいけないし、

2月の公営競馬獣医師協会の実習の準備もはじめなければならない。

どれも骨折内固定がテーマなので、まとめて進めやすくてよろしい。

日本獣医師会雑誌に投稿していた関節固定の論文も1回目の審査が済んで戻ってきた。

その返答もきのう送り返した。

今年は骨折内固定・関節固定が私の課題だ。

                          -

朝一は、1歳馬の飛節下の陳旧化外傷。

立位で抜糸と包帯処置できた。

そこへ放馬して怪我した1歳馬の急患。

大きくはないが、肋骨が折れているのがわかったので吸入麻酔して処置した。

その間に、当歳馬の腰痿のX線撮影。

午後は、3歳馬の去勢。

豆作式捻転去勢棒で!ディープインパクトの子を去勢!;笑

電動ドリルで回すより、抵抗を感じながら回転させるので丁寧な気がするな。

ついで、1歳馬の肩のX線撮影。

3時から黒毛和牛の帝王切開。

術者は初帝王切開だったらしいが、まあ順調にいった。

人の外科医は初手術したら周りにおごるそうだ

それくらい周りのサポートも必要だし、みんなでお祝いするという環境もあるのかもしれない。

良い習慣だな;笑

と言った一日でほとんど座っている時間はなく、進めなければならない準備は進まなかったと日記には書いておこう;笑

                    ///////////////

オラにもタマはありません。

 

 

2人でこんだけこなすのはハードなんじゃないの?

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今日は午前中、2歳競走馬の腕節剥離骨折の関節鏡手術。

つづいて当歳馬の細菌性関節炎の関節洗浄。

午後は、1歳馬の大腿骨軟骨下骨嚢胞Subchondral Bone Cyst のスクリュー固定手術。

左右両方でかなり大きい。

大きいほうがスクリューを命中させやすい。

X線透視装置はこの手術でも有効な武器になる。

この手術方法は搔爬するには大きすぎるSBCの治療法として有効なオプションになるかもしれない。

                      -

つづいて繁殖雌馬のお尻の傷のこじれた症例。

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あいまに、韓国から馬病院施設の見学。

これから済州島に馬の病院が建つのだそうだ。

韓国には馬は3万頭ほどいて、その70%が済州島にいるとのこと。

韓国も獣医学教育の国際認証を取ろうとしていて、そのためには欧米なみの馬の臨床の環境を整え、学生に教える必要があるのだろう。

当たり前のことなのだが、臨床は患畜が居るところで、臨床ができる人しか教えられない。

日本も、韓国も、できるのか?

                      -

今日も朝から休む間もなく、ちょっと疲れた。

 

蹄叉の肉芽

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1歳馬の後肢の蹄叉にできた肉芽。

当たると痛いらしくて、跛行する。

中心部は、こより状の異常な角質の増勢ではない。

しかし、こういう病変の組織を顕微鏡で見てもらうと、螺旋状菌が見えることがあるらしい。

蹄癌Cankerと同じ機序でできるのかもしれない。

しかし、蹄癌はパピローマウィルスの関与を疑う研究者もいて、未だによくわかっていない。

いずれにしても、外科的に切除して、再発しないようにしたい。

後肢だし、全身麻酔して肉芽を切除して、その奥の異常な組織も完全に取り除いた。

FRパスタを詰めて、包帯を巻く。

衛生的にしておかないと、また肉芽増勢してしまう。

肉芽が盛ってくるより速く角質でふさがれてくれることを目指さなければならない。

腸間膜静脈瘤

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夜中、1時27分に電話で起こされる。

1歳馬の疝痛。

夜中に起こされるのも、開腹手術も1ヶ月ぶりくらいか。

たまに疝痛馬は来ていたのだが、私は遭遇しなかったのだ。

(日頃の行いがイイからね;笑)

                     -

寝不足が続いていなければ夜中の診療も元気だったりするのだが、夕べはなかなか頭と体が覚醒しなかった。

開腹手術も、「さあ、やるぞ」という気分にならない。

おまけになんだコリャア??

小腸腸間膜の静脈瘤。

メッケル憩室間膜。

盲結腸の捻転・変位、ただし絞扼はなし。

終わって、6時前。

もう寝付ける時刻じゃない。

                   /////////////

ん~キッパリ姿勢。

正しい「マテ」のポーズだね。

あ~それを待ってたのね。

 


Golden Ageとテストステロン

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おとついは、

外傷のあと種子骨に嚢胞ができた1歳の検査。

Tieback&cordectomyの1ヵ月後再検査。

昼に繁殖雌馬の疝痛。

午後、競走馬の腕節剥離骨折のx線撮影。

夜間診療明けでだるくて眠い。

入院厩舎の開腹手術馬は徐々に回復。

                       -

きのうは、午前中競走馬の左右の腕節の関節鏡手術。

骨折が判明している反対の腕節を手術前に触ったら、わずかに腫れていて、少し熱を感じた。

対側肢も傷んでいることはしばしばあるので、手術をする馬では必ず対側肢の同部位もx線撮影するようにしている。

午後も競走馬の腕節の関節鏡手術。

夕方、繁殖雌馬の外傷。

空胎馬を買って来たら、他の馬にいじめられて牧柵へ突っ込んだのだそうだ。

胸前の傷には牧柵の破片が刺さっていた。後肢の皮膚もかなり切れていたので全身麻酔して縫合。

                     ---

私は50代も半ば。

20代のハングリーさはないし、30代の頃の気力・体力もない。

40代は「いくらでも来い」と思っていたが、今は1頭終えると休みたい;笑。

                      -

一般論として、男性にも更年期があると最近は考えられているようだ。

生活に支障をきたすようになると更年期障害ということになる。

男性ホルモン・テストステロンの減少が主因とされている。

老化現象なので仕方がないことなのだが、自分でも認識しておくと対応の仕方もあるのかもしれない。

周りにも理解してもらうと軋轢も少なくて済むのかもしれない。

                      -

かつて先輩獣医師たちを見ていると、たいてい50代になって怪我をしたり、病気をして、

「以前、あんなに元気だった人が、」と思うように仕事の仕方が変わる人が多かった。

若さは永遠ではないのだから、仕方がないことなのだ。

                    ///////////////

薬にたよらずテストステロンを増加させる方法がある。

薪割り!

男は筋肉を使う力仕事もした方がいいということだろう。

薪割りが良いもうひとつの理由は、成果が目で見えるので達成感が得易いからかな。

 

 

 

 

 

Golden Age 遺伝病 「人は血管とともに老いる」

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昨夜は、8時に当歳馬の疝痛の依頼。

来院するのに「2時間かかる」とのこと。

「?」と思いながら、「来院する30分前にまた連絡ちょうだい」と答える。

                   -

結局、1時間半ほどで来院。

朝からの疝痛で、寝るだけ。前搔きもしない。とのこと。

しかし、痛みは消えないらしい。

心拍60、PCV45%、乳酸値2.2mmol/l・・・・・

超音波画像診断で、完全膨満した小腸が見えた。

肥厚部位や重積像は見えない・・・・

                   -

「開けた方がいいね」

                   -

小腸の腸間膜根部捻転のようだった。

空腸を1箇所で切開し、回腸から空腸上部までの内容を捨てて減圧した。

そのあとは、空腸最上部まで引張り出せて、閉塞は解除された。

小腸の根部捻転は痛みがごくマイルドなことがあり、手術適応の判断が遅れがちだ。

しかし、

こんなになってしまうと予後は悪くなる(写真は別症例)。

だいたい、朝からの疝痛だったら、せめて夕方には連れて来てもらいたい;笑。

入院厩舎へ移したのは日付が変わるころ。

今朝は元気も出て順調だった。

                      /////////////

先月、叔父の一人が亡くなった。

76歳だったそうだ。

母の兄弟は4人全員血管病で倒れ、2人はもう亡くなった。

母方の祖父も祖母も脳出血か脳梗塞で亡くなっている。

私が生まれたとき一人だけ生きていた祖母も亡くなったのは60過ぎだったろう。

祖父は52歳だったそうだ。

血管が老い易い家系なのだ。

ある病理の大家が「人は血管とともに老いる」と言ったそうだ。

遺伝素因がある人はとくにそうだろう。

長生きしたいとか、長生きできるなんて若いときから思っていなかったけどね。

オメ~は無邪気に暢気に肉食だね~

 

Golden Age 腫瘍性疾患

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今日は、

下顎が腫れた当歳馬の検査。

腫れた部分に熱感はない。圧痛はある。抑えると圧痕がつく。

全身の発熱はない。

X線撮影や超音波ではっきりした所見はない。

何による腫れか難しい・・・・炎症?腫瘍?浮腫?リンパ節?唾液腺?・・・・

                     -

続いて気管の中にできた腫瘍を摘出したい繁殖雌馬。

しかし、気管胸部でアプローチが難しい。

パイオプシーでは線維肉腫が疑われる。

Laserで切除しようとするとかなり出血する。

さて、どうする・・・・・

                     -

馬は腫瘍性疾患がすくない動物だとされている。

しかし、本当にどうかはわからない。

皮膚にできるSarcoidはよくあるし、

葦毛馬にはmelanomaがつきものだ。

若い馬のリンパ腫も珍しくはない。

                 /////////////////    

ここ数年、仕事関係での知り合いにずいぶん腫瘍性疾患が多い。

高齢になっていれば仕方がないことでもあるのかもしれないが、私と同世代の人も多い。

人の衛生環境は良くなり、とくに日本ではひどい感染症はほとんど克服されていて、健康上問題になるのは生活習慣病と、あとは腫瘍性疾患くらいのものなのかもしれない。

しかし、あまりに「また?」「あの人も?」「まだ若いのに」と聞くと、すこしでも予防できないものかと思う。

                        -

発がん性物質はできるだけ採らない方が良い。

タバコはもちろんだが、われわれの業界で使われている農薬は大丈夫か?

牧柵の防腐剤として知られているクレオソートは発がん性が言われている。

その原料のコールタールは発がん性物質が癌をつくることを初めて証明する実験に使われた物質だ。

腐りにくい注入木材にもかつては発がん性が知られているヒ素が含まれていた

規制されるようになったのは2000年代に入ってかららしい。

獣医師はX線撮影の放射線被爆にも気をつけた方が良いだろう。

そして、腫瘍も免疫機能で抑えられているので、体調に気をつけ、あまり無理をしないことが大切かもしれない。

正しいキャストは3週間は大丈夫

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今日は、

3歳競走馬の腕節の関節鏡手術。

続いて、

外傷をキャスト固定していた当歳馬。

これで3週間巻いていた。

キャストをはずしてみたら傷の癒合は良好。キャスト擦れもない。

あと3週間キャスト固定することにして巻き直した。

このブログで何度も書いているが、正しくキャストを巻けば3-4週間は巻き直さなくても大丈夫。

皮膚が薄く、頻繁に寝起きし、動き回る当歳でさえも、だ。

                        -

午後は競走馬の第三中足骨外顆骨折のスクリュー固定。

競馬場から巻いてきたキャストは繋部分で折れてしまっていた。

キャストの蹄底部分はひどく厚く巻かれていてはずすのがたいへんだった。

割れていた繋部分は薄い。

distal limb cast は球節の上か下で割れ易い。

だから、その部分を厚く巻いた方が良い。

「均一に巻け」と教えるところもあるようだが、「割れるのは必ず球節の上か下」なのだから、そこを相対的に厚くすれば良いのだ。

磨り減る蹄尖部はスーパーファーストのような樹脂剤で補強すれば良い。

                           /////////////

この季節、仕事が終わる時間にはもう真っ暗。

そう、日照時間も「気分」に影響をあたえるらしい。

せいぜい晴れた日には陽光を浴びたほうが良いのだろう。

白い手術室で明るい無影灯の下で手術していても陽気になるような気はしないけど・・・・・

 

 

牛の骨折のプレート固定 ラグ法

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12月19日・20日と札幌で日本獣医麻酔外科学会が開かれる。

大動物の獣医さんはあまり参加していない学会なのだが、北海道で開かれるので大動物のセッションもいくつも企画されている。

私は「馬の骨折内固定」と題して話すことになっているが

間違いです;笑。

牛の獣医さんに骨折のプレート固定に興味を持ってもらい、手技を少しでも知ってもらうのが目標です。

しかし、こうなっては馬についても話さないわけにはいかないので、「サラブレッドはこうですけど、牛はこうじゃないですか?」という話にする予定です。

少しでも多くの牛獣医師の皆さんに聴いてもらいたいと思っています。

忘年会シーズンでもあります。

出張にならなくても、札幌に来て聴いていただければと思います。

                           -

企業展示もあるので、実際の整形外科器具も観ることができるはず。

つなげる、つながる、すべては伴侶動物のために

・・・?

大丈夫、食用動物にも使えます。

                           -

来年2月には栃木県那須塩原の地方競馬教養センターで全国公営競馬獣医師協会の生涯研修も行われる。

私が担当する2/8には馬の骨折内固定をテーマに実習したいと考えている。

その中で、牛の獣医さんも骨折プレート固定の練習をできる。

馬獣医師の研修会なのだが、牛の骨折プレート固定に意欲がある獣医さんも参加してもらって実習してもらえればと思う。

参加する牛の獣医さんがいたら前もって教えてください。牛の肢も用意しておきます。

                         ---

お知らせが長くなった。

何回かに分けて、牛のプレート固定の基本手技について何回かに分けて書いておきたい。

まず、すべての内固定の基本、スクリュー固定。

2つに割れてしまった骨にただスクリューを入れて締めても2つの骨は押し付けられもせず、引き寄せられもしない。

手前の骨はスクリューのねじ山が働かないように、ねじ山の径のドリルで穴を開けておき、

奥の骨はスクリューの芯の径のドリルで穴を開け、タップでねじ溝を切っておき、スクリューをねじ込んで締める。

そうすると手前の骨をスクリューヘッドが押し、奥の骨をスクリューの先の方のねじが引張る。

そのことで2つの骨は密着し、圧迫される。

 

これがラグ法だ。

ラグ・スクリューとは木ねじのこと。

大工さんもいくつもの種類の中から最適なねじを選択して使う

整形外科よりもっと複雑だ。

                     -

プレート固定手術でもラグ法でスクリューを入れることは多い。

最初の仮固定としても使うし、プレートを留めるプレートスクリューも骨折線をまたぐ場合はラグ法で挿入する。

                     -

手順は、

手前の骨に4.5mmのドリルで穴を開ける。

その穴に3.2mmのドリルガイドをねじ込んで、そのドリルガイドに3.2mmのドリルを入れて奥の骨を向こうへ突き抜けるまで穴を開ける。

カウンターシンクでスクリューヘッドとの接触面が増えるように削る。

デプスゲージで必要なスクリューの長さを測る。

タップでねじ溝を切る。

4.5mmスクリューを挿入して締める。

となる。

                     -

最初に3.2mmのドリルで奥の骨の向こう側皮質まで穿孔しておいて、

骨折線までを4.5mmドリルで穴を広げる。

という方法もやっても構わない。

                     -

先に刻みが付いていて、タップを切らないでもねじ溝を切りながら入っていくセルフタップスクリューを使うなら、

タップ切りの手順は省略できる。(左;セルフタップスクリュー、右;ノンセルフ)

ただし、セルフタップスクリューは、差し替えるとねじ溝を削って壊してしまう可能性があるし、

先のねじ山には刻みがあるので、向こう側の皮質をしっかり引張らなければならないラグ法には本当は向いていない。

しかし、骨が柔らない子馬や子牛ではタップを入れて抜いて、そこへノンセルフタップのスクリューを挿入して締めるより、セルフタップスクリューの方がしっかり効く場合もある気がする。

(つづく)

 

 

牛の骨折のプレート固定 プレート適応の基本

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骨折のプレート固定にはいくつか原則がある。

DCP(Dynamic Compression Plate)を用いる場合だが・・・

・骨の全長におよぶ長さのプレートを用いる。

 これはプレートを添え木だと考えるとわかる。短い添え木で丈夫に固定はできない。そして、短いプレートを当てているとプレートの端でまた折れることがある、らしい。

しかし、子牛ではめったなことはない。長いプレートを入れるためには長く切開しなければいけないので、必要と思われる長さのプレートを使えば良いのではないだろうか。

・プレートはテンションサイドに入れる。

 テンションサイドとは、引張られる側。鈍角に曲がる側。

 例えば橈骨は頭側へ湾曲しているので、牛や馬が立っているときは頭側がテンションサイド。

・斜骨折の突き出してくる骨や、飛び出してくる骨片を押さえる側に置く。

・プレートは骨に密着していなければならない。

 DCPにスクリューを入れてガチャガチャ振ってみるとわかるが、DCPとスクリューは固定されない。

 DCPを折れた骨に当てて、骨折が固定されるのは、DCPをスクリューが骨に押し付けているからなのだ。

 だから、DCPが骨に密着していないとその部分はたいへんに弱くなる。ガチャガチャ動くと思って良い。

 できるだけ完全にDCPを骨の曲線に沿うように曲げて(contour)しておく必要がある。

 (まあ、内固定の強度に余裕がある子牛の骨折プレート固定ではまず大丈夫)

・しかし、プレートを入れられる場所は解剖構造から決まる。

 原理原則からプレートを入れる位置を考えても、実際にはプレートを当てられる位置は解剖構造で大きく制限される。

 屈腱を剥がしてプレートを当てるわけにはいかないし、大きな動脈や神経が走る部位にはアプローチしにくい。

                     -

・プレートの穴はすべてスクリューで埋める。

DCPは骨に圧着されることで固定力が生まれるので、スクリューで押さえられていない部分は固定力が弱くなる。LCPだと逆に全ての穴にLHSを入れてしまうとLCPに強い力がかかりすぎて破損につながる可能性がある。

・骨折線を貫通するスクリューはラグ法で入れる。

ラグ・テクニックで入れたスクリューの固定力は強い。そして、それをプレートスクリューで行うと、スクリューヘッドだけで押さえているよりずっと強い。

・成長期の動物の成長板はできるだけ固定しない。

子牛・子馬の成長板離開では固定せざるを得ないことがあるが、骨幹部骨折なら成長板をまたぐ骨折は避けたい。成長が阻害され、肢軸異常が起こりかねないからだ。

(つづく)

                         /////////////

オラはミニマリスト。

食器とベッドと毛布と鹿の角があれば生活できる。

「って誰が食わせてやってるんだい?」 by とうちゃん

牛の骨折のプレート固定 整復

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ボッキリ骨折の治療でもっとも難しく、もっとも大切な部分はreduction 整復かもしれない。

完全に折れてしまうと、「変位」が起こる。

それを完璧にもとの位置へ戻すことが、そのあとしっかりした固定をするためにも、速く骨癒合するためにも重要なのだ。

                           -

キャストで治療できる骨折でもうまく整復できているかどうかで骨癒合の速さと、骨癒合後の変形の有無が異なる。

創外固定手術では大きく術創を開かないので、整復はあいまいになりがちだ。

プレート固定するなら、完全に変位を整復したい。

それができない粉砕骨折は、LCPを使うか、貫通ピンキャストを選択するなど、別な方法が必要な症例もあるだろう。

                           -

子牛の脛骨斜骨折。

脛骨部はキャストでしっかり固定することが難しいので、「キャストでうまく治せるよ」という牛臨床家は少ないはず。

そして、いくら牽引しても、骨自体を掴まなければ完全な整復は難しい。

骨折部を開かずに完全に整復するなら、ネジが刻まれたピンを複数刺して整復する方法の創外固定だろうか。

切り開いて骨折端を見ながら、骨を掴んで整復するプレート固定は最も整復するのに優位だ。

ただし、それでも易しくはない。

骨を術創の中でしっかり掴む骨鉗子も欲しい。

上のような大きな骨把持鉗子があれば良いが、子牛なら先の尖った仮固定用の鉗子が整復にも役に立つ(右)。

さらには、大きな牛だったり、骨折してから時間が経っていると筋肉が収縮し、騎乗変位を直すのが難しい。

肢端を牽引する方法も考えておいた方が良い。

                            -

私は骨折で安楽殺された馬が解剖場へ運ばれてくると、時間が許す限り、治すためのアプローチと整復をやってみる。

しかし、300kgを超えた馬の上腕骨や大腿骨の骨折で騎乗変位していると、その肢1本だけで馬をぶら下げても騎乗変位は直せない。

そして、巨大な力に耐えたあとに爆発するように折れているので、単純な斜骨折はまずなくて、ほとんどが粉砕骨折している。

ポキンと折れた子牛や子馬の骨折とは違うのだ。

                            -

話が私の本業の方へそれた;笑。

子牛の大腿骨遠位骨折。

「なんとか整復してトマススプリントで治せるよ」という牛の獣医さんはいないはず。

大腿部を切開して骨にアプローチしても整復するのは難しい。

大腿骨遠位部は掴みどころがなく、膝関節で曲がってしまうためだ。

この子牛では先に大腿骨遠位部にTプレートの頭部をスクリュー2本で留めて、それを取っ手にして完全に整復した。

                             -

香港AO advance course 2015ではAuer先生が、骨折の整復方法について講義してくれた。

特殊な器具を使う方法も紹介していた。

以前、Richardson先生に尋ねたところ、

「整復のための特殊な器具は使うのがとても難しく、高価だ」

「それより(成馬の骨折整復には)できるだけ大きな骨鉗子を用意しておくことだ」

ということだった。

まあ、大きな骨鉗子もかなりの値段がする。

                             -

この子牛の大腿骨遠位を整復する他の方法は、遠位部を2本の3mmKワイヤーで内外に貫いて、それを持って整復すれば、

牽引も回転もできるかもしれない。

膝の内側も消毒しておかなければならない。

骨折の手術のときは広範囲に術野を準備しておく。

鉄則のひとつだろう。

(つづく)

                        //////////////////

きのうの空。

今日は夕方から雨。

緑もなく、花もなく、雪もないこの季節。

 

 

 

 


牛の骨折のプレート固定 仮止め

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骨折端を完全に合わせることができたら、その状態で仮止めする。

まずは骨鉗子を使うのが良い。

長いラチェットがついた骨鉗子ではさんで留める。

たいていは斜骨折だからはさんで留め易い。

骨鉗子で仮止めしておいて、ラグスクリューを入れると、仮止めは強固になる。

                                     -

これは脛骨横骨折を整復して骨鉗子で仮止めし、DCPを当ててみたx線画像。

整復状態が良好か、DCPの位置と長さに問題ないかのために撮っている。

                   -

これは別な子牛の脛骨斜骨折を整復して、骨鉗子ではさんで仮止めし、

ラグ・テクニックで2本スクリューを入れて、仮止めをさらに強固にし、

その後、DCPで固定している途中のX線画像。

(ラグ法で入れたスクリューが長すぎるのはご愛嬌。どうせ抜くからと長さを測らなかったら長すぎた。)

                      -

この仮止めをやらないと、プレートをスクリューで留めている間にせっかくやった整復がずれてしまうことがある。

プレートをスクリューで固定し始めたら、骨折線は目視しにくくなるし、整復しなおそうとしてももうできない。

完璧に整復して、できるだけしっかり仮止め。

長骨完全骨折プレート固定の大事な局面だ。

(つづく)

                      /////////////

家屋にへばりつくように死んでいた子ギツネ。

疥癬をわずらっていたようだ。

餌が採れなくなって、寒くなって倒れたのか。

生きていくことはたいへんなのだ、動物も、人も。

 

牛の骨折のプレート固定 contour

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DCPを使って骨折内固定をするとき、DCPは骨にぴったり沿うように曲げておかなければならない。

これをやるには、薄いアルミの板を骨に当てて曲げ、それと見比べながらベンディングプレスでDCPを曲げる、というのが推奨されている方法。

薄いアルミの板はホームセンターで売られているものが使えるかもしれない。

あるいはアルミ箔を何重かに折って、プレートの幅と長さにあわせておいたものを滅菌しておけば良い(柔らかすぎるか?)。

が、ベンディングプレスは15-30万円以上する。

これはなかなか買えないだろう。

プレートベンダーと呼ばれる器具もある。

これはプレートに捻りを付けたいときに使うのだが、曲げるのにも使える。

しかし、子牛によく使うナローDCPだとペンチやプライヤーで充分曲げられる。

できれば手術中に使いたいので、ペンチやプライヤーも滅菌できるようにしておくと良いだろう。

                          -

プレートは、穴の部分では曲げないように気をつける。

あまり何度も曲げたり伸ばしたりしてはいけない。

折れやすくなるからだ。

                         ---

私が初めて子馬の橈骨骨折をプレート固定で治したとき、電動ドリルも、ベンディングプレスも、骨鉗子も持っていなかった。

(つづく)

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今日はタイヤ交換した。

大きい車は重いし、タイヤも大きいのでたいへんだ。

安物の油圧ジャッキを買っていたが、1-2シーズンで壊れた。

しかし、タイヤ交換はできるだけ自分でやりたいと思っている。

ボルト、ナットをしっかり締める手際は整形外科内固定と共通する部分がある。

タイヤ交換なんかしたくない人や、大工仕事に興味がない人は、骨折内固定手術に向かないかもしれない。

 

牛の骨折のプレート固定 プレートスクリュー

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整復ができ、仮止めができ、プレートが準備できたら、あとはプレートスクリューを挿入して固定するだけ。

DCPも、LC-DCPも、LCPも、

プレートのスクリュー穴の形状が工夫されていて、

穴の端よりにドリルで穴を開けると、そこへスクリューを締めていけば、スクリューヘッドがプレートを押して、

そのことで骨折線を圧迫できるようになっている。

だから compression plate なわけだ。

                         -

ただ、プレートを押すことで骨折線を圧迫するので、プレートを乗せた側だけが圧迫されがちだ。

それで、pre-bending と言って、プレートをすこし「へ」字型に曲げておく。

するとプレートを乗せた反対側の皮質も圧迫することができる。

                         -

しかし、この圧迫compressionが有効なのは、横骨折や、横骨折に近い短い斜骨折で、

それも完全な整復ができていることが条件だ。

(つづく)

                      /////////////

 そろそろ本格的に寒くなってきた。

 

牛の骨折のプレート固定 評価

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骨折内固定の手術でもっとも大切なことは・・・・

以前にも紹介したが、Fackleman先生が述べられている。

                              -

The most important aspect of intraoperative and postoperative evaluation of a case is the development of a critical nature that enables the surgeon to recognize errors and to correct them before they become much worse.

症例についての手術中と手術後の評価において最も重要なことは、より悪化してしまう前に間違いを見つけ修正することを外科医ができるようになるための重要な資質を伸ばすことだ。

Internal fixation is exacting and demanding skill.  Those should be undertaken only by those who are satisfied with nothing less than a perfect restitusion of skeletal integrity.

内固定は正確さを要求される難しい手技である。内固定手術は、骨の堅牢性を完全に再構築しなければ満足しない人だけが行うべきである。

                               -

まあ、馬の内固定についての話だ。

診療対象が95%以上サラブレッドである私の経験では、牛の骨折は「これで治っちゃうんだ?!」というのが印象だ。

だから畏れずに牛の骨折内固定に取り組めば良いと思う。

                                -

しかし、「評価」し反省し、改善することはその症例においても、そしてその後の向上のためにも重要。

                               ---

子牛の脛骨骨幹部斜骨折。

数年前の症例で、おそらく牛の骨折をLCPで固定した日本で初めての症例だ。

たまたま余っていた人用チタン製LCPを使っている。

なんの問題もなく治ったのだが、内固定の技術的にはこの長い斜骨折にはラグスクリューをあと1-2本入れた方が良い。

それもプレートスクリューとして入れた方が強度が出るだろう。

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新生子牛の脛骨近位部粉砕骨折。

バタフライ骨片が腐骨になるのを恐れて摘出してしまったので大きな骨欠損ができ、

仕方がないので、近位のプレートスクリューは斜めに入れている。

これでは堅牢な固定ができていないので、グラスファイバーキャストとトマススプリントを併用した。

DCPとスクリューは角度安定性がないので、当然、術後はこうなった。

角状変位しているのだが、「ちゃんと」骨癒合し、後遺症はなかった。

馬ではこうはいかない。骨癒合する前にDCPが折れ、角状変形することで運動障害が残り経済価値を失うだろう。

今なら、バタフライ骨片をラグスクリューで留めて、斜骨折にしてからプレート固定する。

できればLCPを使いたいが、DCP2枚を使えば充分だろう。

                             -

子牛の脛骨近位横骨折。

8穴DCPとスクリュー7本で内固定しているが、DCPが完全に脛骨に密着していない。

contourが不完全だ。

強度が要求される成馬の内固定や、繰り返し激しく動く子馬だとDCPが折れたり、骨癒合が遅れる可能性大だ。

横骨折だが、できれば骨折面を貫くスクリューを、ポジションスクリューで良いから入れておきたい。

金属疲労によりDCPが破損する可能性をかなり減らしてくれるだろう。

横骨折は一見簡単そうに見えるが、実は斜骨折より内固定は難しいと考えた方が良い。

棒を接着剤でくっつけるなら、斜めに切ってあるほうがくっつけ易いでしょ?真横に折れているとくっつけにくいでしょ?

                             -

子牛の脛骨近位成長板損傷をTプレートで内固定した。

まだプレートが浮いているうちに、それを脛骨へ押さえるように入れた一番遠位のスクリューが近位方向へ向いたままだ。

ぶさいくだけど・・・・・まあドリルで穴を開けなおしてプレートに垂直に入れなおしてもさほど強度はかわらないだろう。

                             -

術中、術後の評価のためにはx線撮影は必須だ。

しかし、私も手術棟建築中に、術中x線撮影ができない状態で牛の内固定手術を2頭やった。

まあ、できなくはない・・・・・ 

(つづく)

                           /////////////

わたしは自分がいる業界に愛情と誇りをもっている。

私たち獣医師のBack bone (背骨、支柱、精神的よりどころ)は獣医学だと思っている。

だから、自分達の業界が価値あるものであるように、それを少しでも高められるように、学術研究も症例報告もとてもたいせつだと考えている。

牛の骨折内固定の、ある症例報告に目を通していたら、間違いがひどく目に付いた。

馬の中手骨・中足骨骨折の文献を、牛の脛骨骨折と混同して引用していたり、

引用文献の表示の仕方も、ファーストネームを表記していたりして、メチャメチャだ。

指導教官も、雑誌のレフリーも、読みもしていないのだろう。

情けなく、腹立たしいことだ。

 

 

 

 

 

ミニチュアポニー繁殖雌馬の肩DJD

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11歳のミニチュアポニーの繁殖雌馬が、跛行するということで、別な馬の手術のときに「ついでに」連れて来られた。

まあ、小さくて可愛らしい。

そして、とても大人しい。

                          -

ポニーが晩秋に肢が痛くなったら、「蹄葉炎にきまってる」と思って、蹄からX線撮影するが、蹄の異常はなし。

肢が短いので、蹄も球節も腕節も、それも左右両方1回で撮影できたりする。

肘を撮影してもなんともない。

ただ、肢を前へ引くと痛がって立ち上がる。

そして反対肢を痛い肢に乗せるようにした。

肢を引っ張られるのが痛いので、その肢を押さえようとしたのか、引張っている私を叩こうとしたのか・・・・

しかし、その動作もゆっくりで可愛かった;笑。

肩をX線撮影したら、肩甲骨と上腕骨の関節部が変形し、かなりひどい変形性関節症DJDだった。

                                                                                    -

関節鏡手術する方法はあるが、画期的に良くなるとは思えない。もう関節全体が変形してしまっているからだ。

ヒアルロン酸製剤を、全身投与したり、関節内投与する方法はある。サラブレッドに比べて体重が少ない点で、高い薬も使いやすい。

ミニチュアホースとしては太りすぎてはいないが、体重は負担になるので、減らした方が運動器のためには好ましい。

反対肢が蹄葉炎にならないようには、充分な注意が必要だ。

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ミニチュアポニー、飼いたいな・・・・・・でも乗れないか・・・・・・

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