牛の小腸閉塞について成書を調べてみる・・・・といっても書庫にない;笑
若い先生に借りてコピーさせてもらった。
まずは、Large Animal Internal Medicine 5th ed.

Large Animal 大動物の内科。
牛も馬も一緒に。というのはもうコンセプトが古いな~
両方診る獣医師は世界中にいるだろうが、片方しか診ない獣医師の方が多いだろう。
そして、馬と牛はかなり違う動物で、病気もかなり違う。
詳しく、正確に書こうとすればするほど、もう「大動物」というくくりは無理がある。
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その中の牛の腸閉塞の章に、Volvulus of the Large and Small Intestine around the Mesenteric Root の項がある。
腸間膜根部を軸とした大腸と小腸の捻転。
Ruminants of any age are susceptible, but most cases are seen in preruminant neonates.
どの年齢の反芻動物も起こしうるが、ほとんどの症例は反芻胃が発達する前の幼獣である。
Surgical correction is the only successful treatment option.
外科的整復が唯一の成功する治療選択である。
The prognosis depends on the degree of devitalization of bowel.
予後は腸管の生存性の程度かかっている。
Animal surgically corrected during the early satages respond better.
早期の段階で外科的に整復された患畜は良好に反応する。
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子牛に多い。手術するしかない。それも早くやんなきゃだめだ。早くやれば予後良好。
ということだ。
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この本の筆頭編集者は、Bradford P. Smith 教授。
California大学Davis校の先生だ。
裏表紙に、掲げられているのは、
To study the phenomena of disease without books is to sail an uncharted sea,
While to study books without patients is not to go to sea at all.
これは医学教育に貢献があった Sir William Osler の言葉だ。
本なしで病気について学ぶのは海図のない海を航海するようなものだ。
そして、患者なしで本で学ぶのはまったく海へ出ないのと同じだ。
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かつてDavisのVMTH(獣医教育病院)を訪れたとき、待合室に掲げてあった。
感銘を受けて写真を撮ってきたがピンボケで読めなかった;笑
本で学び、そして患者から学ぶ、それが臨床というもの、そういうこと。
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診療に忙殺される季節が終わって、それでも休日も交替で診療に出るので、全員がそろう日がなくなる。
でも、全員がそろう日を創って所内セミナーをする。
密にならないよう気をつけて;笑
北米馬外科専門医への8年の軌跡を話してもらった。
症例がいっぱいあるところで、先達の指導を受けながら臨床の中で学ぶこと。
必要とされる成書をすべて読み、試験で答えられるように記憶すること(マークシートじゃなくて記述式の試験だそうだ)。
最新5年間の文献をすべて読み、試験で答えられるように記憶していること。
それはすごいことだ。
私たちも負けないように勉強し、診療から学ぶ。
Oslerの言葉にあるように、だ。