分娩直後から疝痛だった馬が、分娩3日目にはついに痛みがひどくなり、朝フルニキシン投与、しばらくするとまた痛いので鎮静剤投与して昼に来院した。
PCV42%、乳酸1.2mmol/l、直腸検査でひどい異常は触れないが、体表からの超音波検査で腹底やや右寄りに浮腫を起こした結腸動脈らしきものが観えた。
拡大しても・・・・
結腸動脈が体表から見えるということは180°、あるいは180+360°捻れていると考えて良い。
血液はさほどひどくないが、もう開腹手術した方が良いと判断した。
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結腸が盲腸の右側へ回り込むように変位していた。
そして結腸動脈が「外」体表側を向いていたわけだ。
結腸の浮腫性の肥厚はほとんどなく、結腸動脈周囲だけが腫れ上がっていた。
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分娩前後には消化管の動きが悪くなる。
妊娠子宮が突然小さくなることで腹腔臓器の位置が変わりやすい。
そのために結腸変位を起こしたのだろう。
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ゆうべは子宮血腫の繁殖雌馬が入院していた。
夜中に別の疝痛馬が来院。
診察の結果、その馬も子宮動脈破裂のようだった。
朝、重症の方の馬は死んだ。
若い方の馬だった。
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きょうは、
1歳馬の跛行診断。
前肢。支跛なので、足もと(遠位部)に思えた。
種子骨底部で神経ブロックして、跛行は半減した。
蹄をx線撮影して、蹄内に感染部があるのを確認して、掘って削って排膿させ、FRパスタを詰めた。
ゆうべ、連絡をもらっていた橈骨遠位成長板Salter-HarrisⅠ型損傷の新生子馬の剖検。
整復するのは思ったよりはるかに難しい。
助けられるかもそうだが、売り物になるか、競走馬になるか、考えなければならない。
午後は私は検査当番。
Thoroughpin(足根腱鞘炎)の治療について教科書と文献で勉強するが・・・・・眠たい。