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Channel: 馬医者残日録
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第一指骨粉砕一歩手前骨折

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2日前に競馬で発症した3歳牝馬の基節骨骨折。

まったく負重できない。

負重してはいけない。

ほとんど粉砕しかけている。

おまけに不思議な一見キャスト風包帯を巻いてきた。

あっぶね~

皮膚の上から骨鉗子をかけて圧迫する。

その位置と角度じゃなさそうだ。

お~いい感じ。

あとは骨鉗子を残したままLag screwで圧迫固定していく。

1本目は近位背側でほぼ正中の縦割れを圧迫するように。

そして2本目は掌外側のピースを骨体に圧迫するように。

遠位部は背側が内側寄り、掌側が外側寄りが割れている。

だからlag screwは外背側から内掌側へ入れる。

圧迫された。

第一指骨の中央から遠位部は、成馬でも指三本くらいの太さしかない。

馬の肢の最も細い部分だ。

そのかわりとても硬い。

遠位から2本目も同じような角度で入れる。

背側正面から観ても遠位の骨折線も圧迫された。

中央部は外掌側の浮き上がった部分を押さえるように入れなければならない。

その遠位には縦割れを圧迫するように入れなければならない。

しかし、基節骨の中央部のscrewは2cmほどは離して入れたほうが良いとされている。

あまり近くにscrewを入れると、中央部でボッキリ折れてしまうことがあるらしい(私はその経験はない)。

お~第一指骨の形状がかなり修復された。

圧迫は完璧ではないが、発症して36時間ほど経っているので骨折線内に血餅や破片があるのかもしれない。

あとはhalf limb cast する。

数週間は巻いておいた方が良いだろう。

とても危ない骨折だ。

                ///////////////////

手術室で馬体にたかるハエを叩いたら血液が飛び散った。

サシバエで、血を吸っていたのだ。

口器を観ると、舐めるタイプのハエでないことがわかる。

夏癬(カイカイ、オムシ、etc. 俗称はいろいろ)の馬を調べると、サシバエとアリへのアレルギーが最も強いらしい。

最近は夏癬も以前より減ったように思うけど・・・

 

 

 

 

 

 


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