先日の馬臨床技術向上研修では、半日あまりを子牛の骨折プレート固定の実習に当てた。
その習作を紹介しておく。
最も遭遇することが多いであろうと推察している脛骨骨折。
lag screwで仮止めしてから、contourした8孔ナローDCPを当てて、compressionをかけてscrewを入れた。
このプレート固定で、骨折子牛はキャスト固定しないで生きていける。
すぐ寝起きできるので、成長も遅れないし、二次的な下痢や肺炎や事故の可能性も減る。
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橈骨骨折もある。
お~いいんじゃないの。
子牛の骨幹端では6.5mm海綿骨screwを使うことが好ましい。
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大腿骨が折れることもある。
骨幹部だと遠位部で折れることが多い。
大腿筋膜張筋と大腿二頭筋の間をグリグリ触ると、子牛なら大腿骨に触れられる。
そこを小切開すれば骨折部は血腫になっている。
その中で指を入れて、内側から筋腹を触れば、筋間がわかるし、鈍性に筋肉を分け易い。
適切なscrewの長さを測るデプスゲージは使うのに慣れが必要なようだ。
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上腕骨骨折も起こりうる。
遠位部の骨折だったら、プレートを”J”に曲げて、もう少し遠位に当てる。
screwも最遠位に入れる必要がある、というのが習作。
ただし、あまりプレートの先が肘関節に干渉しないように注意が必要。
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さて、最低限の器材があれば、子牛のプレート固定は超難度の手術ではない、というのを体験していただけただろうか。
第四胃捻転や、ひどい子宮捻転の帝王切開の方が、難しいし、体力も要るし、時間もかかるかもしれないし、予後も悪いんじゃないかと思う。
あとは整形外科の知識を増やし、練習することだ。
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ツリバナ。
実を稔らせ、はじけることが大切。