この子馬は鼻が曲がってきてしまった。
X線撮影したら骨折の痕があり、変位して骨癒合する過程で片側が縮んでしまったのだろう。
噛みあわせがおかしいので、下顎切歯も片減りし、下顎も捻じれ始めている。
Bone Sawで臼歯の吻側で骨切りして、鼻の曲がりを矯正できるようになったら切歯骨に骨鉗子をかけて仮固定し、
キルシュナー鋼線をねじ込む。
第二前臼歯の背側へ向けて。
その前に、肋骨を切り取ってきていて、骨切りした部分には肋骨を挟みこんでいる。
元へ戻ろうとするだろうと考えて、わずかに過矯正されたようにした。
大手術だがそれでは終わらない。
曲がってしまっている鼻中隔を部分切除する。
さらに、鼻を持ち上げておいて、鼻梁骨を切断し、プレート固定する。
鼻筋がまっすぐになった。
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先天性の鼻曲がり wry nose は1年に1頭あるかないかの畸形で、たいていはあきらめられている。
海外には外科的矯正した症例報告が以前からいくつか出ている。
今回のはその最新の、もっとも徹底した方法。
不幸な子馬を治せるようになるかも。
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草刈りしたあとに今年も咲いたコルチカム(イヌサフラン)。
相棒は、紅葉にはまったく興味がない;笑
そもそも赤は識別できないのか・・・・・